2025年1月21日公開
最終更新日:2025年1月26日
人材業界はやりがいがある? 将来性や向いている人の特徴を解説
企業の人材不足がしきりと叫ばれる中、人材業界で働きたい人が増えてきています。特に求職者と企業をつなぐサポートをするキャリアアドバイザーやキャリアコンサルタントは人気の職種です。
この記事ではこれから人材業界でキャリアを積みたい人や転職を考えている人に向けて、人材業界の将来性ややりがい、魅力などを解説します。人材業界への転職を考えている人はぜひ参考にしてください。
人材業界は市場が拡大、多様化傾向にある
求職者と企業の橋渡し役を担う人材業界は年々市場が拡大しています。株式会社矢野経済研究所が2024年に発表した「人材関連ビジネス主要3業界市場規模推移」(※1)によると、2023年度の主要3業界市場の売上高は9兆7,156億円で前年度より6.3%増加しました。2024年度以降は10兆円を超えると予測されています。
パンデミックが落ち着き求人も回復しつつあり、働き方改革や働く人の多様性への対応が必要です。人材業界もビジネスモデルが多様化しており、さまざまな形態の会社があります。
人材業界では次のような事業にわかれています。
- 人材紹介事業
- 人材派遣事業
- 求人広告事業
- 人材コンサルティング事業
- 再就職支援事業
それぞれについて詳しく解説します。
※1 出典:株式会社矢野経済研究所「人材関連ビジネス主要3業界市場規模推移」
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3661
人材紹介事業
人材紹介は求職者と人材がほしい企業をつなぐ役割を持っています。人材紹介会社が運営するWEBサイトなどで登録を行った求職者に対してニーズに合った企業を紹介する事業です。企業側のニーズや条件も加味して求職者を選びます。求職者の入社が決まれば仲介手数料が企業から人材紹介会社に支払われる仕組みです。
キャリアアドバイザーやキャリアコンサルタントが担当者として、キャリアの相談や面接の練習、書類の添削、面接日の調整、条件交渉などを行うサポート業務が多いのが特徴です。また、どのような業種でも取り扱う「総合型人材紹介」と特定の業種に特化した「特化型人材紹介」にわかれています。おもに転職希望者を対象とした転職エージェントも人材紹介事業です。
人材派遣事業
人材派遣は、人材を求める企業に条件に合う労働力(人材)を提供する事業です。人材コーディネーターや営業職が企業に必要な人材の数や派遣の期間などのヒアリングを行い、条件にマッチする人材を派遣します。
人材の募集や選考、求職者と雇用契約を結ぶのは人材派遣会社の仕事です。求職者は派遣先の企業で働きますが、給与は派遣元である人材派遣会社が支払います。また、企業は人材派遣会社に仲介手数料の支払いを行います。
人材を派遣したあとは担当者が定期的に企業と派遣スタッフ双方に面談をして、問題点や契約の更新などについて話し合うのが一般的です。人材業界の主要3業界の中でも人材派遣の売上高は最も多く、高い水準で推移しています。
求人広告事業
求人広告事業とは、WEB上の求人サイトや求人・転職情報誌などの媒体に求人情報を掲載して求職者を募る事業です。人材を募集している企業から支払われる広告費が収益になります。
求人広告事業が他の事業と異なるのは、人材関連事業とは別に広告事業も取り扱っている点です。求人広告には「直販型」と「代理店型」があります。直販型は自社が運営するプラットフォームを持つ会社が求人広告を出す企業に対して、自社メディアへの掲載をすすめます。一方の代理店型では自社メディアを持たず、求人媒体と企業との仲介を行う形態です。
人材コンサルティング事業
人材コンサルティングとは、企業に対してコンサルティングを行う事業です。報酬制度や採用制度、人材育成の分野などの問題点を改善するための提案や企業の風土や意識の変革管理などあらゆる面でサポートします。
人材不足に悩む企業では効率的な採用活動が求められています。そのため、採用活動の戦略をレクチャーする人材コンサルティングへのニーズは高まっているといえるでしょう。
再就職支援事業
再就職支援は企業が事業方針の転換や組織の再編成などで、人員削減をするときに従業員の再就職の支援をする事業です。従業員へのカウンセリングや再就職先の紹介、面接の練習などのサポートを受けられます。また、企業側に対しても現職が再就職活動の妨げにならないようにフォローしてくれる場合もあります。
人員削減による退職は従業員にとって経済面、精神面で大きな負担になります。そのような状態では円満退職というわけにはいきません。そこでプロに再就職の支援をしてもらい、できる限り従業員の希望にそった再就職先を見つけるのです。企業イメージも守られます。再就職支援を利用するための費用は企業が負担します。
▼人材業界の様々なビジネスモデルや職種については、こちらの記事で詳しく解説しています。
人材紹介事業のビジネスモデルとは?事業として気になる利益率なども合わせて徹底解説
「人材業界」の職種はさまざま! 活躍の場の違いや担う役割を解説
人材業界の将来性
人材関連事業の市場は年々拡大しており、今後もその流れは継続すると予測されます。求職者が増えれば、人材に関するエキスパートは重宝されるでしょう。人材関連の採用ニーズも増えているため、将来性のある業種といえます。その要因について解説します。
少子高齢化による人材不足
少子高齢化によって企業が抱える人材不足は今後もますます加速する見通しです。パーソル総合研究所と中央大学が発表した「労働市場の未来推計2030」(※2)によると、2030年には644万人の人材が不足すると予測されています。
今後は企業が求める有能で即戦力になる人材の確保がより難しくなるでしょう。そのため、人材業界の果たす役割も増え、業界に精通した人材も増員する必要があります。具体的にはキャリアアドバイザーやキャリアコンサルタント、営業職など、求職者と企業をつなぐ人材が求められているのです。
※2 出典:パーソル総合研究所・中央大学「労働市場の未来推計2030」
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/assets/future_population_2030_4.pdf
働き方に対する価値観の変化
日本では現在、長く続いていた「終身雇用」という考え方がなくなったといわれています。さらに働き方改革やパンデミックの影響もあり、働き方に対する価値観が若い世代を中心に変わってきました。ワークライフバランスに重きをおいた柔軟な働き方を希望する人が増えているのです。
自身の成長やキャリアアップのために転職を考える人も増加傾向にあります。実際に転職率は年々、高水準が続いているのが現状です。当然、転職を取り扱う人材業界の需要も増しています。人材業界は就職・転職どちらの場面においても、求職者の価値観や希望する働き方を考慮したサポートやサービスが求められています。
女性や高齢者の就職支援
労働人口が減少している一方で女性や高齢者層の就職が増加しています。これらの人々が労働力となることは人材不足の解消につながることもあり、国や地方自治体でも雇用を後押しする動きが高まっています。女性はライフイベントに合わせた働き方を希望する人も多く、個々のニーズを理解したサポートが必要です。
また高齢者層へは、現役時代の経験を活かせる業種への就職支援が必要になるでしょう。また、リカレント教育を受ける高齢者層も貴重な人材です。人材業界はこうした人々の就職をサポートするために、多様性を重視したサービスの提供が求められています。
▼人材業界の将来性や課題については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
人材業界が2025年現在抱える課題とは? 今後の展望・将来性も解説
人材業界で働く魅力とやりがい
将来性がある人材業界で働くのは大変さもありますが、求職者や企業をサポートする性質上、魅力ややりがいも多くあります。人材業界の魅力とやりがいについてご紹介します。
求職者の人生に大きく関われる
求職者にとって就職・転職は人生のターニングポイントともいえる大切な局面です。人材業界ではそのような場面に立ち合え、新たなキャリア形成に深く関わります。例えば人材紹介会社のキャリアアドバイザーやキャリアコンサルタントは、求職者と何度も面談を行い、求職者の希望や求職者自身も気づいていない強みを引き出し、その人に最適なアドバイスを行います。
キャリアアドバイザーの仕事は面談にとどまらず、求職者と企業のマッチング、履歴書などの書類の添削、面接の練習、企業との条件交渉、入社後のフォローなど、求職者に寄り添ったさまざまなサポートを行うのです。
希望通り、あるいは希望以上の就職・転職に成功した求職者からは「〇〇さん(担当者)にサポートしてもらえてよかった」「転職に対して不安があったが心強かった」といった感謝の声を聞くことも多いでしょう。求職者の満足度はそのまま人材業界で働く人たちの喜びにつながります。成功体験をいくつも共有することでモチベーションアップにもなるでしょう。
さまざまな人と関われる
常にさまざまな人と関われるのは人材業界の魅力のひとつです。求職者やクライアント企業の担当者など、新たな出会いが多く、毎日というほど多くの人と話し、関わりを持ちます。中には自分とは異なる価値観を持つ人もいるため、プラスにとらえれば、それらの人たちと接することで自分自身の価値観や知識の幅、視野が広がるでしょう。
人と企業をつなぐ役割を持つ人材業界だからこそ、信頼感が生まれることも多く、人脈作りにも役立ちます。また、他の業種では得られない貴重な経験ができる職種といえるでしょう。
自分の経験を仕事に活かせる
自分自身の経験は人材業界で働く上で糧になります。就職・転職活動の他、アルバイトの経験でも仕事に活かせます。人材業界で活躍している人の中には、自分が就職・転職活動で苦労した経験があるため、同じ立場の人の役に立ちたいと考える人が多いようです。
就職活動の他にも自身が得た経験から、求職者の悩みや迷いに寄り添って、気づきやヒントを与えられます。入社後も求職者が活躍して働けるようさまざまな心配りができ、信頼関係でも仕事面でもプラスになるでしょう。
自分自身が成長できる
人材業界の仕事は決してスムーズに進むことばかりではありません。求職者と信頼関係が築きにくい、マッチする企業が見つけにくい、といったこともあるでしょう。しかし、あきらめずに問題を解決していけば、成果につながり自分自身も成長できます。人材業界では欠かせない問題に対処する能力やコミュニケーション力が自然に身につき、仕事にも活かせるでしょう。
人材業界に向いている人の特徴
人材業界では資格や経験がなくても働けます。もちろんキャリアアドバイザーやキャリアコンサルタントなど人材関連の資格があれば役立つこともありますが、基本的にはその人が持つヒューマンスキルを重要視する企業が多い傾向にあります。ここでは人材業界に向いている人の特徴を詳しく解説します。
コミュニケーション能力が高い
コミュニケーション能力の高さは、すべての人材業界の業態で役に立つスキルです。求職者とのやり取りや企業の人事・採用担当との交渉など、あらゆる場面で人と接することが多く良好なコミュニケーションが要求されます。特に求職者とは面談やその他のサポート業務でやり取りを行うことが多く、高いコミュニケーション能力が役立つでしょう。
さらにクライアント企業の新規開拓や条件面の交渉などを行う営業職の場合でも、コミュニケーションは必要です。特別に社交的でなくても「人と話すことが好き」という人でも十分です。多くの人と接し、業務をこなしていく上でコミュニケーション能力は自然と身についていくでしょう。
相手に親身になれる
常に相手の立場や要望を優先して、適切なアドバイスや提案を行うのが人材業界では非常に大切です。対求職者、企業どちらにもいえることです。相手に親身になれ、役に立ちたい、なんとかしてあげたいという気持ちが双方のニーズを満たすことにつながります。
トラブルが起こった際にも一時的な解決策だけでなく、長期的にみて求職者や企業のためになる提案が必要です。相手を優先する姿勢は信頼感が増し、良好な関係を築く第一歩にもなるでしょう。
忍耐力がある
人材業界では求職者と企業の間で板挟みになったり、なかなか成果が出なかったりといったことが少なくありません。人によっては精神的にきついと感じることもあるでしょう。そこで必要なのが忍耐力や精神力です。すぐには結果が出ない、うまくいかないこともあるという忍耐力を持って努力を続けていれば、やりがいを感じられる時がきます。ストレスをためこまず、失敗があっても次に活かせる習慣が必要です。
情報収集能力が高い
人材業界や就職・転職市場の動向は刻々と変化をしており、景気に左右されることもあります。情報収集が欠かせない職種といえるでしょう。情報を多く集め、正しく分析をする能力に長けていると、求職者にとって最適な提案をしたり、企業に合った人材を紹介したりといったことができます。常に最新の情報を得られるようアンテナをはって、活用する意欲を持ち続けましょう。
人材業界でやりがいを感じてキャリアアップにつなげよう!
年々注目が集まっている人材業界は将来性があり、やりがいも多く感じられる魅力的な業界です。求職者が理想通りの企業に入社が決まった時や有能な人材をクライアント企業に紹介できた時は大きな喜びを感じられ、達成感も得られます。人の役に立てた経験がモチベーションアップにもつながるでしょう。人材業界で活躍をして、自分自身のキャリアアップも実現しましょう。
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