2025年7月10日公開
最終更新日:2025年7月10日
投稿者:キャリアアドバイザーAgent求人ナビ編集部

人材紹介業界の市場規模と将来性|これから転職を検討している方に役立つ情報も

活況を呈する人材紹介業界ですが、転職者ニーズの変化や生成AIなどデジタル技術の発展によって、市場の動向は常に変化し続けています。

 

本記事では、人材紹介業界の市場規模や今後の展望、課題について解説します。記事の後半では、人材業界で働きたいと考えている方に向けて、主要な職種や転職方法などを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

人材紹介業界の市場規模は拡大傾向にある

ビジネスマンと上昇するグラフ

まずは、人材紹介業を含む、人材ビジネス市場の現状から見ていきましょう。

 

矢野経済研究所が2024年に実施した調査結果によると、2023年度の人材ビジネス主要3業界(ホワイトカラー職種の人材紹介業・人材派遣業・再就職支援業)の市場規模は、9兆7,156億円でした。前年度比6.3%増と、プラス成長を記録しています。

 

ホワイトカラー職種の人材紹介業に限定して見てみると、2023年度の市場規模は4,110億円で、前年度比は17.1%増。市場が飛躍的に成長していることが分かります。

 

なお、この調査結果はホワイトカラー職種のみの統計であることから、他の全職種を含む人材ビジネスの市場規模は、非常に大きなものになると推測できます。

 

※参照:株式会社矢野経済研究所「人材ビジネス市場に関する調査を実施(2024年)」

https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3661

 

人材紹介事業全体の手数料収入も増加

人材紹介業界の市場規模が拡大傾向にあることは、厚生労働省の調査結果からも読み取れます。

 

厚生労働省が2025年に発表した統計データによると、2023年度の民営職業紹介事業所の手数料収入は、約8,362億円でした。これは前年度比8.6%増の伸び率で、人材紹介市場が活性化していることの裏付けになります。

 

参考として、直近の年度別データを以下に示します。

 

<手数料徴収状況の年度別推移>

 

手数料合計(単位:千円)

2019年度

587,428,048

2020年度

523,976,662

2021年度

631,501,820

2022年度

770,288,262

2023年度

836,218,148

 

コロナ禍の影響により、2020年度に一時的な減少が見られるものの、全体では手数料収入が右肩上がりで推移しています。今後も人材ビジネス市場の成長は続いていくものと考えられます。

 

※参照:厚生労働省「令和5年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」

https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001461972.pdf

 

人材紹介業界の今後の展望

虫メガネと様々なグラフ

人材ビジネス市場の現状も踏まえて、人材紹介業界の今後の展望を考察していきます。

 

採用ターゲットの拡大

社会全体の労働力不足が深刻化する中、外国人労働者の受け入れが増加しています。厚生労働省の調査結果によると、2024年10月末時点での外国人労働者数は約230万人で、過去最多を更新しています。

 

また、今後は定年を迎えたシニア人材や、ブランクのあるミドル層の女性の雇用がより加速していくことが予測されています。採用ターゲットの拡大と求職活動の活性化によって、人材紹介市場のさらなる拡大が見込まれます。

 

※参照:厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和6年10月末時点)」

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_50256.html

 

人材獲得競争の激化

少子高齢化による人手不足や若年労働力の減少によって、人材獲得競争が激化すると考えられます。特に近年では、ITスキルや専門知識を持つ人材の需要が高まる一方で、慢性的な人材不足が深刻な課題となっています。

 

企業が事業の成長と競争力強化を実現するには、優秀な人材の確保が不可欠です。人材紹介サービスは、今後一層求められるようになるでしょう。

 

採用手法の多様化

時代の移り変わりとともに、採用手法も進化し続けています。一昔前は、紙の求人情報誌が主流でしたが、現在では求人情報サイトや転職エージェント、スカウト型採用、ソーシャルメディアなど、様々な採用手法が存在します。

 

採用手法の多様化は未だ現在進行形であり、将来スタンダードになり得る新たな採用手法が生まれる可能性もあります。社会の変化や採用トレンドを敏感に察知し、常に新しい情報を収集する姿勢が求められます。

 

転職者ニーズの変化

近年、価値観の多様化によって、働き方への意識が大きく変化しています。「ワークライフバランスの実現」「キャリアアップと自己実現」「やりがい重視」など、一人ひとりが働く動機を持ち、転職を行うことが一般的になってきました。このような状況の中、日本の古き慣習である終身雇用の概念はなくなりつつあります。

 

今は、転職が個人の成長や幸せにつながる選択として、肯定的に評価される時代です。自由な職業選択や柔軟な働き方が定着することで、人材の流動性がより高まると予測されます。

 

生成AIなどデジタル技術の活用

生成AIをはじめとしたデジタル技術の発展は、求人市場に大きな影響を与えています。プロンプトエンジニアやAIディレクターといった新たな職種の需要が生まれる一方で、一部の職種では業務が生成AIに代替され、雇用の減少につながっています。

 

デジタル技術は急速な発展を遂げており、さらに多くの業界や分野で活用が進むことが見込まれます。それと同時に、企業の人材採用や求職者の就職活動に、良くも悪くも大きな影響を及ぼすことが推測されます。

 

人材紹介市場における課題

人物のアイコンを指差すビジネスマン

市場規模が大きく、成長性の高い人材紹介業界ですが、いくつかの課題も存在します。

 

景気変動に左右されやすい

人材紹介業界は、景気に左右されやすい特性があります。過去のリーマンショックやコロナ禍の雇用情勢からも分かるように、景気が悪化すると企業の採用意欲が低下し、市場規模が縮小する可能性があります。

 

現状、人材紹介業界の市場規模は拡大傾向にありますが、社会情勢や景気動向を常に注視し、変化を先取りしていくことが重要です。

 

人材確保の難易度上昇

少子高齢化による労働力人口の減少は、人材紹介業界の中長期的な課題となっています。人材を採用したい企業が多く存在する一方で、その希望を満たす人材の確保は今後ますます困難なものになると推測されます。

 

特に、専門性の高い人材や即戦力人材のニーズは増大しており、人材紹介会社間での人材獲得競争が激化していくでしょう。

 

競合他社との差別化

人材ビジネスの市場規模が大きいということは、人材紹介会社にとってそれだけ多くの競合が存在することを意味します。厳しい競争に打ち勝つためには、自社独自のサービスや強みを活かした差別化戦略が不可欠です。

 

これからの人材紹介市場で優位に立つためには、DXやAIといったデジタル技術の活用も欠かせないものとなります。ツールやシステムを業務に導入することで、作業効率アップやマッチングの高精度化、サービス品質の向上など、多くの効果が期待できます。

 

人材紹介業界の将来性は?

面接をする男女

人材紹介業界の市場規模は、今後も拡大していくことが見込まれています。その主な理由として、以下が挙げられます。

 

・仕事に対する価値観の多様化

・キャリア形成の意識向上

・転職への抵抗感の希薄化

・専門性の高い人材やグローバル人材の需要増

・政府による雇用流動化の促進

・企業側の人材確保の困難化

 

現状においても、キャリアアップやワークライフバランスを重視した転職は既に一般化しており、今後ますます人材の流動性が高まることが予想されます。理想とする転職を実現するために専門的なアドバイスを求めるケースも増え、人材紹介サービスを利用する求職者の数は増加するでしょう。

 

また、労働人口の減少によって、企業は必要な人材を確保することが今以上に難しくなります。専門性の高い人材や優秀な人材を自社に引き込むために、人材紹介サービスを頼る傾向が強まると考えられます。

 

このような理由から、人材紹介業界の将来性は明るく、さらなる市場規模の拡大と活性化が期待されています。

 

【転職者向け】人材紹介に関連する事業と仕事内容

ビジネスマンと人物のアイコン

ここからは、人材業界への転職を検討している方に向けての情報をお届けします。

 

まずは、人材業界の主な事業と、職種ごとの仕事内容を紹介します。「人材紹介」「人材派遣」「求人広告」「人材コンサルティング」の4つの事業を見ていきましょう。

 

人材紹介

人材紹介事業とは、「人材を採用したい企業」と「仕事を探している求職者」をマッチングし、直接雇用につなげるサービスです。転職エージェントや人材紹介会社がこれに該当します。

 

人材紹介事業における代表的な職種として、キャリアアドバイザーとリクルーティングアドバイザーが挙げられます。

キャリアアドバイザー(CA):求職者対応を担当(求人紹介や転職活動のサポートを行う)

リクルーティングアドバイザー(RA):企業対応を担当(採用活動の支援や営業活動を行う)

 

キャリアアドバイザーは、求職者対応が主な仕事となります。求職者と面談を行い、希望条件やスキルに合った求人を紹介します。応募書類の添削や面接対策から入社後のフォローアップまで、求職者の転職活動全般をサポートします。

 

一方、リクルーティングアドバイザーは、法人営業を担当します。企業の人事担当者に人材要件のヒアリングをして、採用戦略の提案や求人票の作成を行います。

 

人材派遣

人材派遣事業とは、人材派遣会社が雇用する労働者(派遣社員)を、別の企業に紹介し派遣するサービスです。

 

人材派遣会社の営業職は、人材コーディネーターと呼ばれます。派遣形態で人材を確保したい企業に対して、適切な人材を紹介するのが主な仕事です。具体的には、求職者の登録面談やマッチング作業、就業中の派遣社員へのフォローなどを担当します。

 

人材コーディネーターの業務範囲は会社によって異なり、法人営業を兼任することもあります。その場合は、企業の採用ニーズの聞き取りや継続的なフォローアップなども業務に含まれます。

 

求人広告

求人広告事業とは、Webや紙の媒体に企業の求人情報を掲載し、採用につなげるサービスです。近年では、手軽に求人検索や応募ができる転職サイトが人気です。

 

求人広告サービスでは、人材を採用したい企業から依頼を受け、求人広告を作成します。主要な職種としては、営業や企画、クリエイティブ(デザイナーやコピーライター)などが挙げられます。中でも営業職の役割は大きく、自社サービスの利用が見込める企業をどれだけ獲得できるかが、業績を上げるカギとなります。

 

人材コンサルティング

人材コンサルティング事業とは、採用や育成、人材の定着など、「人」に関する課題の解決を支援するサービスです。今ある課題の解決だけでなく、より良い環境に変えるためのアドバイスも行い、企業の成長と発展につなげます。職種としては、人材コンサルタントと呼ばれることが一般的です。

 

人材コンサルティングのサービス領域は広範囲に及びます。

 

・採用支援

・人材育成、研修

・組織開発

・採用戦略の立案

・採用制度や人事制度の設計

・労務管理の改善

・グローバル人事

 

上記はあくまでも一例であり、人材コンサルタントには高い専門性と幅広い業界知識が求められます。

 

人材紹介の仕事に向いている人の特徴

笑顔で正面を見るスーツ姿の男女

人材紹介の仕事は、対人業務が多くを占めます。様々な求職者や企業担当者と接するため、コミュニケーション能力が不可欠です。会話を通じて相手のニーズや本音を引き出すことも大切で、ヒアリング力が求められます。人と関わるシーンが非常に多い仕事なので、前提として人が好きであることや、誰とでも会話を楽しめることは大きな強みとなるでしょう。

 

また、人材紹介に関わる業務は多岐に渡るため、複数のタスクを並行してこなすスキルが必要になります。要領よく物事を進めるのが得意な人や、切り替えが早くテキパキと動ける人は適性があるといえるでしょう。

 

人材紹介業界への転職方法

パソコンを操作する男性の手元

効率的に転職活動を進めたい方には、人材業界に特化した転職エージェントの活用がおすすめです。人材業界の幅広い求人を取り扱っているため、より希望条件に近い仕事に出会える可能性があります。業界事情に精通したアドバイザーのサポートが受けられる点も大きな魅力です。

 

転職エージェントは無料で利用できるサービスなので、ぜひ上手く活用してみてください。

 

人材紹介業界の将来展望は明るい

この記事では、人材紹介業界の市場規模や将来性、転職にまつわる情報などを紹介しました。仕事に対する価値観の多様化や人材獲得競争の高まりによって、今後も人材紹介業界は活性化していくことが予測されています。この先のキャリアを見据えて、人材ビジネスへの転職を検討するのも良策といえるでしょう。

 

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