2024年11月10日公開
最終更新日:2024年11月17日
「キャリアアドバイザーになるのはやめとけ」は本当? 経験者がそう言う理由を具体的に分析
どのような職種であっても経験者から「大変な仕事だ」「やめとけ」と言った声は聞かれがちですが、キャリアアドバイザーではどうでしょうか。たしかに否定的に聞こえる声があることは事実です。そのなかには、たしかに大変だなと思えるものもあるでしょう。しかし、魅力も多くやりがいがある仕事だからこそ、頑張っている人たちの中から苦労談も出てくるという面もあります。
また、職種が問題なのではなく、選んだ転職エージェントに問題があるケースも少なく無いようです。本記事では、キャリアアドバイザーについて「なるのはやめとけ」という声の理由をご紹介するとともに、入社先選びのポイントなども解説します。
▼キャリアアドバイザーの基本知識や具体的な仕事内容についてはこちらの記事でも総合的に解説しています。
キャリアアドバイザーという仕事の魅力
キャリアアドバイザーは多くの人が活躍し、他の職種からの転職者も多い職種です。キャリアアドバイザーは転職エージェントなどの職業紹介事業所と呼ばれている職場で活動します。厚生労働省の調べによれば、有料・無料を合わせた職業紹介事業所の数は令和5年度で31,237となっており、一時的な減少はあるものの、基本的に右肩上がりといえる増加ぶりです(※1)。
必然的にキャリアアドバイザーのニーズが増えていることは間違いないでしょう。転職者が多く、人気が高い背景としては、社会人経験が役立つ職種の特性が関係しているといえます。また、キャリアアドバイザーへの転職者が多いということは、職種に魅力を感じた人が多いということです。まずここでは、キャリアアドバイザーという職種の魅力をご紹介します。
※1出典:厚生労働省「民営職業紹介事業所数の推移」
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000920809.pdf
多くの人に出会い、キャリアやひいては人生の手助けができる
キャリアアドバイザーは仕事を通じて転職を希望する多くの求職者に出会い、その人たちの転職、キャリア形成だけでなく人生の手助けができる職種です。職業紹介の分野で人の役に立ちたいという思いを、具体的なサービスの提供という目に見える形で実現できる点に魅力を感じることができます。
求職者はさまざまで、年齢や人柄、経歴や得意とするものも人によって異なります。その人に合った効果的な転職支援を行い、可能性を引き出して結果を出すことが求められるため、キャリアアドバイザーの責任は重大です。だからこそ、成功に導けたときの達成感や喜びも大きいといえます。
キャリアアドバイザーの職務において目を向けるべきは、個々の求職者が持っている目に見える職歴やスキルだけではありません。機械的な対応ではなく、人として求職者と真摯に向き合うことが大事であり、人にしかできない仕事がキャリアアドバイザーだといえるでしょう。人と向き合いながら仕事を進める点において、多くの人に出会う業務の積み重ねと自分自身のスキルアップが大きくものをいう仕事です。
多様な業種について詳しくなれる
キャリアアドバイザーは求職者の希望や適性に応じて、さまざまな業種、業界への転職をサポートします。とはいえ、初めから多様な業種、業界について詳しいキャリアアドバイザーは多くないでしょう。しかし、しっかりと仕事を進めるなかで、それぞれの業種、業界について詳しくなれます。また、詳しくならなければ仕事のレベルアップにつながりません。
多方面で人脈を構築できる
非常に多くの人と出会い、多様な業種、業界に詳しくなることは、新しい発見や気付きにつながるとともに、多方面での人脈構築に役立ちます。個々の案件が終わればリセットといった考え方をすれば別ですが、キャリアアドバイザーとしての経験は積み重ねです。求職者や各企業の担当者などとの縁を大事にすることで、人脈が広がりワンランク上の仕事にもつながるでしょう。
仕事を通じて社会貢献している実感を得られる
キャリアアドバイザーの仕事は、社会貢献の実感につながる仕事です。世の中はプライベートだけでなく、人々が働くことで回っています。適材適所の転職支援が成功すれば、求職者や企業はもちろんのこと、社会にとっても有意義なことです。つまり、キャリアアドバイザーとしての仕事が社会貢献につながっており、大きな魅力だといえます。
「キャリアドバイザーになるのはやめとけ」と言われる場合の理由にはどのようなものがある?
出会った多くの人の役に立ち、人脈を構築し、自分自身の成長や社会貢献を感じることが可能な仕事でありながら「キャリアアドバイザーになるのはやめとけ」と言われることがあります。
キャリアアドバイザーへの転職をやめとけという声は、実際にキャリアアドバイザーを経験した人や、現職の人からの声である場合が多いようです。そこでなぜ、キャリアアドバイザー経験者から否定的な声が出てくるのかが気になります。どのような経験が元になっているのか、経験者の声は参考になる部分もあるでしょう。
休日出勤や拘束時間が多くなってしまった
まず、仕事としての拘束時間が長く休日出勤が多いことが挙げられます。短期的ならともかく、キャリアアドバイザーとして働いていた期間を通じて常態化していたなら、後進にやめとけという気持ちもわからなくはありません。ワークライフバランスの観点からも好ましくないでしょう。
原因としては、求職者の都合を優先する点が挙げられます。求職者に寄り添った転職支援をしようと思えば、キャリアアドバイザーの仕事が定時で終わったり、公休日に必ず休めたりするとは限りません。とくに在職中に転職活動を行っている求職者を担当する場合、現職の業務時間外に面談や面接対策、活動方法の提案などの業務を行う必要も生じるでしょう。しかも、多くの求職者が在職中です。求職者の現職が一般的な日勤である場合には、時間外である平日の夜間や土日祝日の対応も珍しくなくなります。
ただし、漫然と長時間労働が当たり前となっているわけではありません。勤務先にもよりますが、2024年現在におけるキャリアアドバイザーの勤務形態には、フレックス制やリモートワークもあります。また、休日出勤には代休などの措置をとることも考えられるため、一概に「やめとけ」という話にはならないでしょう。
一日の間に考えることが多すぎると感じてしまった
キャリアアドバイザーの仕事はとにかく忙しいと感じることがあります。一日の間にあれもこれも考えなくてはならないため、気持ち的にも休まらないといった経験が、やめとけといわれる理由の一つです。
考えることが多すぎる原因として、複数の求職者に対応する必要性が考えられます。属性もスキルも異なり、希望する業種や職種、企業も異なる求職者を担当し、それぞれにマッチした支援策を考えるのは容易なことではありません。また、活動を開始したばかりの求職者もいれば、応募先を絞る段階や面接が目前に迫っている求職者など、フェーズが異なれば動き方も異なります。
たとえば、朝一でAさんのカウンセリングを行い、引き続きBさんの進捗を確認し、Cさんの面接練習を行ったあとはDさんの応募先と連絡をとり、Eさんの悩みに的確なアドバイスを考え、Fさんの書類をチェックしてといったマルチタスクの日々は、スケジュール管理だけでも大変です。定型的な業務であればともかく、個々の求職者にマッチすることを前提に考えを巡らせる必要があると、疲労感も小さくないでしょう。
ノルマを重責に感じてしまった
キャリアアドバイザーという名称からは思い浮かびにくいかもしれませんが、キャリアアドバイザーにもノルマがないわけではありません。一般的には成果面において営業職と同じと考えられることもあり、売上目標や転職成功数といったノルマを重責に感じてしまい、プレッシャーに耐えられなくなるケースもあります。
また、結果だけでなく面談数などの経過についてもノルマが設定されているケースでは、数をこなすための努力が必要になり、仕事の質を維持することができないといった悩みを抱えることにもなりかねません。
BtoCの業務に気疲れしてしまった
キャリアアドバイザーの仕事はBtoCの業務がメインとなっています。BtoCとは、Business to Consumerの略であり、企業と一般ユーザー(個人や消費者)間の取引を示す言葉です。キャリアアドバイザーの仕事相手は基本的に個人の求職者であり、企業が相手の場合よりも返ってくる言葉や態度といった反応がストレートであるといえます。
そのため、強い不満の声やきついクレームを浴びせられて気疲れしてしまうケースも少なくないといえるでしょう。
さらに、求職者をつなぐ応募先企業とのやり取りもしなければなりません。こちらはBtoBですが、人事などの担当者との交渉はシビアなものとなるため、精神的な疲れが増すところです。ただし、転職エージェントによってはキャリアアドバイザーとは別にリクルーティングアドバイザー(企業担当者)を置いている事業者もあります。対企業のやりとりの殆どをリクルーティングアドバイザーに委ねることで、求職者への対応に専念でき、負担軽減が可能です。
仕事は楽しいが給与に満足できなかった
キャリアアドバイザーの仕事内容そのものは楽しく不満はないものの、給与などの待遇に満足できなかった経験が否定的な意見につながるケースも多いようです。
キャリアアドバイザーの給与体系は、個人の実績に応じた歩合の部分が多いケースが少なくないといわれています。キャリアアドバイザー自体は資格が必要な職種ではないため、資格手当はありません。基本給+成果報酬制の場合、成果が大きければ高額給与も期待できますが、成果を出せなければ激務の割に給与が低いと感じてしまうケースが少なくないでしょう。
また、成果が発生する時期を自分でコントロールしにくい点が特徴としてあり、月別で見た場合に給与の額が安定しないこともやめとけといわれる要因だと考えられます。物品の販売であれば売上時期の調整もできなくはありませんが、転職支援の成果発生時期が決まるのは、キャリアアドバイザーの都合に関係なく、求職者と転職先企業のマッチング次第だからです。
キャリアアドバイザーの「一日の業務の流れ」例
実際にキャリアアドバイザーはどのようなスケジュール感で日々の業務を遂行しているのでしょうか。キャリアアドバイザーの一日の業務の流れは日によって異なりますが、ここでは一例をご紹介します。
キャリアドバイザーのノルマとは?
キャリアアドバイザーになるのはやめとけといわれる理由の一つとして、ノルマの重責という問題があります。ノルマの中身は結果についてのKGI(Key Goal Indicator=重要目標達成指標)と途中経過についてのKPI(Key Performance Indicator=重要業績評価指標)という括りで考えることが可能です。売上目標は代表的なKGIの項目例です。ここではノルマについてもっと細かくご紹介します。
キャリアアドバイザーのノルマについては、入社する転職エージェントや、転職エージェントの運用タイプによって異なる点が前提です。運用タイプには以下の4種類があります。
- キャリアアドバイザーとは別にリクルーティングアドバイザーがいて企業を担当するタイプ(片手(片面)型・企業担当あり)
- それぞれのキャリアアドバイザーが企業対応も行うタイプ(片手(片面)型・企業担当なし)
- 企業担当をキャリアアドバイザーが兼務するタイプ(両手(両面)型)
- キャリアアドバイザーが企業担当を兼務するが担当求職者のみを紹介するタイプ(両手(両面)型・ヘッドハンティングタイプ)
以下にノルマとして設定される主な項目例を示しますが、すべてが同時に求められるとは限りません。期間ごとに「今回は紹介数を達成して・・」といったノルマになるケースも多く存在します。
・スカウトメール送信数
自社サービスに登録して利用し、転職に成功する人数を増やすためには、求職者を多数確保する必要があります。そこで活用されているのが、利用を促すスカウトメールです。スカウトメールは送りさえすれば良いというものではありませんが、少ないよりは多いほうが良いといえます。求職者の入り口の部分でもあり、送ること自体は慣れてしまえば難しくはないため、ノルマ以上の送信が望ましいといえるでしょう。
・新規求職者面談数
スカウトメールなどで呼び込んだ新規の求職者は、そのままでは単なる見込み客に過ぎないといえるでしょう。面談を実施することで、結果を出すための動きが始まるといえます。
・求人の紹介数
面談が終わったら求職者にマッチする求人を紹介します。紹介数のノルマが設定される理由は、紹介数を増やすことで、より良い企業選択ができるためであり、マッチング可能性を高めるためです。
・企業へ推薦した求職者数
求職者に求人を紹介した段階では企業側は求職者の存在を知りません。企業へ求職者を推薦することで、いよいよお互いが選択する段階、マッチングを考える段階に入ったといえます。選考段階で不採用となる求職者の存在を考えれば、推薦する求職者の分母を増やすことが重要です。仮に100%採用される場合でも、推薦する人数が多ければ結果も大きなものとなります。
・1次面接実施数
面接にこぎつけた人数が少なければ大きな成果は見込みにくいといえるでしょう。そのため、1次面接の実施数はノルマとして重要な項目です。
・2次面接以降実施数
2次以降の面接がある場合も考え方は同じで、いかに多く実施できるかが重要となります。ここまでで解説したノルマの項目はKPIで途中経過に関するものです。
・内定数
内定数も売上目標などのKGIを達成するための重要なKPIです。また、企業が入社OKという結論に達したことを示すことから、目標達成と同じ意味があるとの考え方もあります。どちらにしても、内定獲得はほぼ転職成功といえるため、内定数の多さは実績として評価しやすく、ノルマとして重要な項目です。ただし、さまざまな事情で内定を辞退するケースがあることを考えれば、より多くの内定が求められます。
キャリアドバイザーに求められるスキルや資質
キャリアアドバイザーになるのはやめとけ、という感想を持つ経験者のなかには、仕事そのものに問題があったわけではなく、キャリアアドバイザーの仕事に向いていなかった人もいます。それでは、キャリアアドバイザーに向いている人とはどのような人でしょうか。ここではキャリアアドバイザーとして活躍しやすい資質、求められるスキルをご紹介します。
コミュニケーション力
キャリアアドバイザーは人と向き合う仕事であり、ヒアリングや説明をはじめとしてさまざまな会話が必要です。したがって、コミュニケーション力の高さは必須だといえるでしょう。少なくとも人と話すのが好き、苦にならないことが大前提となります。また、相手の立場に立って人の相談に乗れる人もキャリアアドバイザーに向いているといえるでしょう。
一方、人と会うことは問題ないものの、会話が続かないという人には難しいかもしれません。ただし、プライベートでは会話が苦手な人でも、仕事になるとコミュニケーション力を発揮するタイプの人なら向いている可能性があります。
ヒアリング力
キャリアアドバイザーにおけるヒアリング力とは、言葉そのものからだけでなく、表情や声のトーンなどさまざまな要素から相手の気持ちや要望を汲み取る力だといえます。すべての求職者が、いつでも自分の内心をうまく言葉に変換できるとは限らないためです。また、求職者自身が自分の気持ちに気づいていないケースもあるでしょう。人に指摘されて気づくケースもあり、その指摘する側になれるスキルは、キャリアアドバイザーとして活躍できる要素です。
コーチング力
キャリアアドバイザーにはコーチング力が求められます。キャリアアドバイザーの仕事は、求職者の転職を成功に導くことであり、単に転職のノウハウを教えたり、企業側との出会いをセットするだけでは期待できる結果も限られるでしょう。求職者の能力を引き出して成長させる、その支援を効率よく行うコーチング力の高さが必要です。
情報収集力
情報収集力もキャリアアドバイザーに不可欠なスキルだといえます。新規の求人情報を収集するだけでなく、求めている人材やスケジュール感などを敏感にキャッチできるスキル、どこに必要な情報があるかを探し当てるスキルが必要です。そのうえで、求職者からヒアリングした情報も含めて精査し、目的に向かって役立つように整理する力が求められます。
計画力
毎日の業務が多岐にわたり、カウンセリングや面接といった日程調整が欠かせないキャリアアドバイザーには、計画力が必要不可欠だといえます。計画が適切でなければ業務の遂行が困難になり、自分の目標達成が遠のくだけでなく、求職者や企業に迷惑をかけることになりかねません。
気持ちの切り替えの早さ
仕事は結果を求めるものですが、どれだけ努力しても結果に結びつかないことがあります。キャリアアドバイザーの仕事も同様で、他人同士をマッチングさせる仕事である分、結果に結びつかないケースは多いといえるでしょう。企業から内定を得たとしても、最終的に転職を決めるのは求職者です。そのため転職に至らなかった場合でも、サッと気持ちを切り替えられる人は、キャリアアドバイザーに向いているといえます。
営業や接客の経験
人とのコミュニケーションによって進められるキャリアアドバイザーの仕事には、営業や接客の経験が役立つといえます。営業や接客は、相手の要望を正確に漏らさず把握しなければならないだけでなく、円滑な関係性の維持が求められる仕事だからです。また、無理難題を吹っ掛ける顧客の対応や、難しい商談を成功させた経験を活かして、交渉を有利に進めることもできるでしょう。
自分自身が転職活動で困った経験
キャリアアドバイザー自身が転職活動で困った経験があれば、求職者の悩みやどこで躓いているのかを把握しやすいといえます。求職者に寄り添い、相手の立場に立った解決策を見つけるうえでも有用です。求職者にとっては、安心感があり信頼できる相談相手になり得ます。
これからキャリアアドバイザーを目指すときにおすすめの行動
キャリアアドバイザーに必要な資質やスキルを持ち、職業として向いている人が、これからキャリアアドバイザーを目指すときにおすすめの行動をご紹介します。
仕事の特性や社会的意義と、自分の価値観を照らし合わせておく
キャリアアドバイザーは転職活動の支援を通じ、求職者の人生にかかわる役割を担う責任重大な職種です。適材適所の労働環境の整備に寄与するなど社会的意義も大きいといえます。一方で、在職中の求職者の状況に応じた支援を行う必要性から、長時間労働や休みを取りにくいといった状況に置かれる可能性も否定できません。
このようなキャリアアドバイザーの現実を客観的に理解し、自分の価値観と照らし合わせておく必要があるでしょう。キャリアアドバイザーとなってから、「こんなはずではなかった」ということのないように、しっかりと準備することが求められます。
入社先の方針や文化を公式サイトや口コミでチェックしておく
キャリアアドバイザーとして働くといっても、所属する転職エージェントによって働き方や職場環境、サービスの運営方法は異なります。企業規模を見ても、同じ株式会社とはいえ大手もあれば中小もあり、各社には独自の方針があり、企業文化もさまざまです。自分の性格や希望にマッチする会社か否かは、転職成功にとって重要なポイントであり、少なくとも公式サイトや口コミなどの情報をチェックしておく必要があるでしょう。企業文化には伝統的な傾向があるため、最新情報はもちろんのこと、少し古い情報にも注意をはらう必要があります。
万全な状態でチャレンジできるよう必要知識を学んでおく
未経験でキャリアアドバイザーを目指す場合、仕事をするなかで学ぶことは多いといえるでしょう。これから目指す段階では、キャリアアドバイザーの仕事について、何もわかっていなかったとしても当然といえます。
とはいえ、経験しなければわからないことばかりではありません。先輩キャリアアドバイザーや転職エージェントなどが発信している情報には役に立つものが少なくないといえます。キャリアアドバイザーとしてのキャリアを万全な状態で歩み始めることを想定し、事前に学ぶことが可能な知識を修得しておくことをおすすめします。
キャリアアドバイザーに向いていないかも・やめたいと感じたときにおすすめの行動
さて、念願がかない志高くキャリアアドバイザーになったものの、自分は向いていないかも・やめたいと感じることがあるかもしれません。そんなときにおすすめの行動をご紹介します。
苦手な部分だけに注目せず、自分の強み・得意なことを整理する
まず、なぜキャリアアドバイザーに向いていない、やめたいと感じるのかが重要です。年収の限界や労働時間といった自分の力では解決が困難な条件面などの理由であれば、そのまま続けることは難しいかもしれません。しかし、職務を遂行する上で苦手なことがあったり、思うように成果が出せないといった理由なら解決できる可能性があります。
苦手意識があると、その部分が気になってしまい悪い方向へ考えることがありますが、幅広い業務のなかで、ダメな部分ではなく自分の強みや得意なことに意識を向け、客観的に整理することがおすすめです。その結果、今の職場でもキャリアアドバイザーとして活躍できると気づくケースがあります。
仕事を続ける場合とやめる場合のメリット・デメリットを考える
キャリアアドバイザーをやめてしまうことは簡単ですが、冷静になって仕事を続ける場合と辞める場合のメリットとデメリットを比較し、どちらが自分にとって好ましいかを判断することが重要です。メリットにはやりがいや評価、報酬の高さなどがあり、デメリットには心身の疲労や将来への不安などがあります。
改めて考えることで、自分が重視していることと現実とのギャップの確認が可能です。また、思っているよりも悪くない、有利であることに気づくことがあります。
メリットがデメリットを上回るようであれば、選択肢としてもう少し頑張ってみるのもありでしょう。デメリットの方が大きければ、踏ん切りもつけやすいといえます。
信頼できる同僚や先輩にありのまま相談する
自分一人で抱え込んでいても結論が出ないことがあります。ストレスのせいで考えがまとまらなくなっているかもしれません。そんなときは、信頼できる同僚や先輩に相談することをおすすめします。その際に、現状をありのままに相談することが重要です。正確な情報を伝えることで、客観的で有意義なアドバイスを受けられる可能性が上がります。
相談相手は仕事の関係者に限定されません。職場や仕事と直接的に関係している人でなければわからない話を除き、頼れる友人や家族への相談も有効です。
優良な転職エージェントを選ぶためのポイント
キャリアアドバイザーの適性がどれだけ高くても、入社先によっては「やめておいたほうが良かった」となってしまいます。例えばノルマが厳しすぎる、成果に見合った報酬を得られない、意地が悪く足を引っ張る同僚がいるといった条件や職場環境です。簡単にいえばブラック企業で、入社する転職エージェント探しは将来を左右しかねないほど重要な手順だといえるでしょう。ここでは、キャリアアドバイザーとして入社する転職エージェント選びのポイントをご紹介します。
面談カウンセリングの実施時間を9時~17時など通常の営業時間の範ちゅうに限定している
入社先が定時内に業務を終わらせる仕組みを用意していれば、有意義なキャリアアドバイザー生活を歩める可能性が高いといえます。残業をしないように通達する企業は少なくないものの、実際の動きは現場任せといった職場が少なくないなかで、時間外の面談やカウンセリングを認めない点は大きなポイントです。時間外の対応が認められていないとなれば、キャリアアドバイザーの側も時間内に実施できる方法を考えるようになるでしょう。
夜間の稼働ニーズがある場合はフレックス勤務を選択できる
フレックス勤務が可能な転職エージェントは、入社先として有力な選択肢となります。求職者対応を営業時間内に限定するだけでは、在職しながら転職活動を行っている求職者のニーズにマッチしない問題が生じ得るためです。フレックス勤務を選択できれば、どうしても調整がつかず、夜間に稼働しなければならないニーズがある場合の解決策となります。休日に出勤しなければならない場合には、代休や振替休日を無理なく取得できるかどうかがポイントです。
ノー残業デーを導入している
ノー残業デーを導入しているかどうかは、働き方改革に対する意識を判断するうえで小さくないポイントになります。少なくともノー残業デーを導入している企業であれば、ブラックな働き方をしていない可能性が考えられるでしょう。ノー残業デー自体は国内で古くから存在している働きすぎ対策です。そもそも時間外勤務が少ない企業には不要ですが、そうでない企業は導入しているケースが少なくありません。残業が多いのにノー残業デーを導入していない企業は、入社先の選択肢としての優先順位は低いといえます。
キャリアアドバイザーとリクルーティングアドバイザーで業務を分担できる
キャリアアドバイザーとリクルーティングアドバイザーの両方の職種が存在することは、入社先選びの大きなポイントです。企業の担当を専門に行うリクルーティングアドバイザーがいることで、キャリアアドバイザーは基本的に企業を担当したり企業との折衝を行ったりする必要がなくなります。
単純に業務量の負担を軽減できるだけでなく、キャリアアドバイザー本来の仕事である求職者への対応、サポートに専念できる点で選びやすいポイントです。
キャリアドバイザーで経験を積んでおくと将来の選択肢も広がる
キャリアアドバイザーとして活動した経験は、キャリアアドバイザーをやめたあとでも大きな武器になり得ます。キャリアアドバイザーは将来的な選択肢を広げる意味でも有利な職業です。以下でキャリアパスの例をご紹介します。
人事・採用担当職
人事・採用担当職はキャリアアドバイザーの職務内容と密接に関連する職種です。まず、求職者の転職を支援するうえで、人材を求めている企業の人事・採用担当職の職務との接触が大きいといえます。人事・採用担当職が何を考え、何を求めているかを正確に把握するとともに、人事・採用担当職の作成する資料や書類を読み込み、場合によっては交渉も行うことで、人事・採用担当職の職務内容をある程度まで相手方として経験することになるわけです。
さらに、求職者の能力を引き出し、スキルアップに導くコーチング力が、人事・採用担当職として望ましい人材の見極めに活かせる可能性もあります。
カスタマーサクセス・インサイドセールス職
既存客の管理、自社製品を通じた長期的な信頼構築と価値を最大化する支援、解約防止を主な任務とするカスタマーサクセス職に求められるスキルは、キャリアアドバイザーとして求職者との間で二人三脚の関係性を築いてきたスキルに近いものがあるといえるでしょう。カスタマーサクセスとは「顧客の成功」を意味する言葉であり、求職者の転職成功を支援するキャリアアドバイザーとの共通点は多いといえます。
サポート対象と手法、関係性こそ違いがあるものの、ニーズを把握し課題解決に向けて寄り添いながらサポートする点は同じです。求職者も一種の顧客であり、信頼感と安心感を持ってもらうことで、生きたサポートを可能とするスキルが役に立ちます。
見込み客を成約に導く内勤営業であるインサイドセールス職も、キャリアアドバイザーの経験が活きる職種です。相手の立場に立った内勤での営業活動には、面談以外にもメールや電話を活用した支援を行うキャリアアドバイザーのスキルが活かせます。
人とのコミュニケーションが重視される様々な異業種
上記以外でも人とのコミュニケーションが重視される様々な異業種の職種にも、キャリアアドバイザーとしての経験が活かせます。顧客の課題を解決する点において、キャリアアドバイザーで培ったコミュニケーション力の高さは、業種や職種にかかわらず役に立つでしょう。
例えば、ヘルスケア・医療分野などです。医療現場ではコミュニケーションのレベルが仕事の品質に直結しかねない面があります。患者やスタッフ間の情報共有が適切でなければ、信頼関係の構築や必要な治療の選択が行われないといったリスクが考えられるでしょう。キャリアアドバイザーのコミュニケーション力があれば、かゆいところに手が届くレベルの対応も可能です。
また、IT業界のように日々進化する業界においては、密で高品質なコミュニケーションが役立ちます。クライアントの要望を引き出し、ニーズにマッチするサービスの提供を行うにあたり、キャリアアドバイザー時代の情報収集力やコミュニケーション力、コーチング力が活きるでしょう。
キャリアアドバイザーに興味があり魅力を感じているならぜひチャレンジを
キャリアアドバイザーは、求職者の転職活動をサポートし、成功に導く重要な職種です。一方で、業務量も業務の種類も多く、勤務時間にもばらつきが生まれやすい大変な仕事でもあります。キャリアアドバイザーを選ぶか否かは、果たす役割ややりがいの大きさなどのメリットと、長時間勤務や報酬面の不安定さといったデメリットを比較したうえで、自分の価値観に合うかを総合的に判断して決めると良いでしょう。
また、キャリアアドバイザーの経験は、例えやめたとしても武器になり得ます。キャリアアドバイザーに興味があり、少しでも魅力を感じているなら、チャレンジすることをおすすめします。
キャリアアドバイザー職に少しでも興味がわきましたら、キャリアアドバイザー求人ナビの転職支援サービスをご活用ください。ご経歴やご志向をお伺いしながら、具体的な求人イメージや活かせそうな経験などお話させていただきます。まずは以下ボタンより、面談予約してください。
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