2025年3月5日公開
最終更新日:2025年3月5日
投稿者:キャリアアドバイザー求人ナビ編集部

キャリアアドバイザーの仕事はAIに奪われる? と心配な方はチェック! 人材業界の様々なAI活用動向

キャリアアドバイザーにとって、AIは歓迎すべきものなのかどうかがわからないといった声が聞かれます。Open AI社のチャットボット「ChatGPT」が台頭し、様々な分野でAI技術の活用が進んでいる状況です。業種を問わずビジネスで上手に活用する動きが活発化しており、キャリアアドバイザーをはじめとした人材業界でも、そういった動向がみられます。

 

この記事では、人材業界でのAI活用について紹介し、AIの進出に危機感を持っている人にも役立つ情報を解説します。

 

▼キャリアアドバイザーの基本知識や具体的な仕事内容については、こちらの記事で解説し

キャリアアドバイザー(人材紹介)ってどんな仕事内容?業務の詳細を徹底解説!

 

人材業界・求職者支援の仕事においてAIができること

:AI businessの文字と指のOKサイン

就職したい人・転職したい人の要望や特性などをくみ取って、求人企業とのマッチングを行い、入社後のフォローまで一貫したサポートを提供するのがキャリアアドバイザーの仕事です。

 

日本における人材業界の事業、キャリアアドバイザーの仕事の中で、AIを活用するとしたらどんな場面・使い方になるのでしょうか? いくつかの例をご紹介します。

 

条件に合う求人情報の検索・マッチング

ChatGPTには無料版と有料版があります。無料版でもかなり活用できますが、不足を感じるようなら有料版を検討してみるとよいでしょう。

 

まず、ChatGPTにログインまたはお試しでアクセスすると、中央に「お手伝いできることはありますか?」と書かれた画面が出ます。これがプロンプトの入力画面です。求人情報を検索したいときは、たとえば以下のように入力して、↑マークの送信ボタンを押します。

「東京都のキャリアアドバイザーで年収500万円以上の求人一覧」

 

この例では、該当する募集がピックアップされ、1件ごとに以下の情報が表示されます。

・企業名……募集を出している求人企業の名称

・勤務地……都道府県までのものや町名まであるものなど様々

・年収……募集要項の年収で範囲内に500万円を含むもの

・雇用形態……正社員などの区別

・特徴……フルフレックスの採用、未経験者歓迎など

・詳細……職種や仕事内容の詳細など

・転職サイトURL……掲載ページに飛ぶリンク

 

プロンプトを工夫することで、様々な結果を表示させることが可能です。

 

書類・資料作成

履歴書や職務経歴書のチェックをしたい、AIとしてどのような判断になるのか分析を見てみたい場合はたとえば、「職務経歴書を分析して欲しい」とシンプルに入力します。

 

すると、画面には職務経歴書のアップロードまたは内容を問う表示が出ます。そこで、アップロードまたは内容を入力すると、分析が実施され、以下のような詳細な結果の確認が可能です。

・業務内容を項目だけでなく具体的に記述するとよい

・数値実績を提示している点は有効だが、その数字を達成するために実施した取り組み内容を加えるとなおよい

・アピールポイントが簡潔すぎるので、もう少し掘り下げること、文章としては簡潔にまとめるとよい

 

企業面接シミュレーション

ChatGPTに、面接官としてロール定義(役割設定)、依頼内容(何をして欲しいか)を入力します。

 

例)あなたは人材紹介会社の管理職でキャリアアドバイザーとして豊富な経験と知見、実績を有しています。また、部下の育成面でも優れています。今回は中途採用の面接担当者です。 転職希望の応募者に対し、面接で適切と考えられる質問を考えてください。

 

上記プロンプトに対してChatGPTは、以下に示す5種類の質問を、いくつかの例に目的を添えて返してきました。

・志望動機やキャリアに関する質問

・経験とスキルに関する質問

・チームワークに関する質問

・企業文化に関する質問

・その他の質問

 

ChatGPTでは、プロンプトがわずかでも異なれば、違う結果が返ってきます。

 

また、簡潔に「キャリアアドバイザーへの転職で面接のロープレ」と入力すると、自己紹介や志望動機、スキルと課題解決に向かう考え方などの質問とその意図、模範回答例が返ってきました。この質問にはどのような話が適切なのか、その具体的な伝え方がわかるような構成です。

 

ChatGPTを試してみるときは、自分なりにプロンプトを工夫して、いろいろなヒントを見つけるとよいでしょう。

 

スケジュール調整の補助

ChatGPTに「面接スケジュールの調整」と入力すると、候補日や都合、面接形式をたずねてきます。自分と先方のスケジュールの空きを入力すると、照合して一致する日を教えてくれます。どちらかの候補日が少ないか、どちらも候補日が多ければChatGPTを使うまでもないでしょう。しかし、ちょっと照合が面倒で、他の条件も含むケースでは役に立つでしょう。

 

求職者向けの「AIキャリアアドバイザー」も登場している

サポートの文字とスマホ画面のAIボット

株式会社ROXX(東京都)では、音声対話型AIキャリアアドバイザーの提供を2024年11月より開始しています。利用できるのは、ノンデスクワーカー向け転職プラットフォームである「Zキャリア」のユーザーの一部です。スマートフォンがあれば、24時間いつでも相談ができ、求人提案も受けられます。

 

人材業界でのその他の様々なAI動向

ビジネスパーソンの手のひらにAIの文字

 

人材紹介・転職支援サービス大手の「doda」でAI提案機能リリース

パーソルキャリア株式会社が運営する大手の転職サービス「doda」では、2024年4月より職経歴書の自動作成機能をリリースしています。AIが職務内容を自動で生成するだけでなく、「doda」のキャリアアドバイザーによる添削が受けられます。

 

厚生労働省 / ハローワークでもAIプロジェクトを設置

国レベルでもAIの活用が進んでおり、厚生労働省では2024年9月に、AIが何に使えてどのような効果があるか、課題は何かといった検討を行うためのプロジェクトチーム設置を発表しています。対象となるのはハローワークインターネットサービスです。

 

キャリアアドバイザーはAIに仕事を奪われる? 今こそ「人間にしかできないこと」に注目

ガッツポーズする女性ビジネスパーソン

AIがどれだけ進化したとしても、人間の仕事がなにもかも奪われるとは限りません。むしろ、人間にしかできないことがある点を前提に、奪われるのではなく上手に活用していく考え方が重要です。

 

人間だからこそ、深い相談対応ができる

感情を理解するAIの研究が進んでおり、AIは感情を理解できないため限界があるといわれていたのは過去の話かと思っている人は少なくないでしょう。しかし、本当にAIが人間と同様に感情を理解できるかどうかはわかりません。データ解析的に理解したとしても、それが人間同士のコミュニケーションと同様の状況を生み出せるかも未知数です。

 

少なくとも現時点では、共感力や創造力、空気を読む力などを持つ人間だからこそできる深い相談対応があります。そして、それはAIが人間と同じように感情を扱えるようにならない限り、人間のキャリアアドバイザーの仕事です。

 

表情の読み取りや、求職者本人も気づいていないことの抽出などは人間が得意

音声や表情を分析するAIはあるものの、キャリアアドバイザーとしてのキャリアが活きるヒアリング力や、分析力にとって代われるという話は聞きません。AIが得意とするのは、音声や表情をパターン認識するための科学的なビッグデータとして扱うことです。そのため、微細な部分で人間のようには対応しきれないともいわれています。本人が気づいていない潜在的な部分のキャッチこそ、人間のキャリアアドバイザーができることです。

 

情報の正確性の面で「人の目」は必要

AIが出した答えが必ず正しいわけではありません。AIが学習したデータの偏りや、信頼性が疑わしいソースからの情報を反映することが主な原因です。正確性を担保するために、人間の目が必要になります。

 

個人情報保護の観点で、AI使用を避ける向きもまだまだある

AIと個人情報保護の問題は一朝一夕に片付くものではなさそうです。もちろん、AIの開発側では対策を進めていますが、生のデータをプロンプトに入力した場合、それが学習のために保存され、第三者への回答に使用される懸念から、AIを避ける向きがあるのは事実です。

 

人間がとりかかる前の下地づくりや業務効率化にAIは適している

AIはデータ処理を得意としており、分析や資料作成など人間が本番業務にとりかかる前の下地づくりや業務の効率化に適しています。

 

AIを上手く活用することによって、「小規模なエージェントにビジネスチャンスが広がる」という側面も

AIを上手く活用することで、規模の小さいエージェントにもビジネスチャンスが広がります。業務効率のアップによる省力化がコア業務への集中を助けることと、活用できる情報の質量で大手との差を縮めることが可能になるためです。

 

AI活用が広まるなかでも「価値の高い」キャリアアドバイザーになるためには

Brandingの文字と電卓やペン

インターネットの普及は転職市場にも大きな影響を与えています。かつては大手の人材紹介会社が情報量で圧倒しており、中小の企業はその点で見劣りしていたといえるでしょう。求職者に至っては、限られた手段でわずかな情報しか集めることができないため、人材紹介会社の力を借りなければ条件のよい求人に出会えないといっても過言ではなかったといえます。

 

ところが、インターネットを通じた情報発信が当たり前になったことや求人データベースの存在により、人材紹介会社間の規模の違いによる差がなくなりつつあります。それどころか、求職者が個人で必要な情報を得られるようにもなりつつあり、一部ではなっているといえるでしょう。そこにAIの活用が加わることで、個人での転職活動を加速させる可能性があることは否定できません。

 

では、キャリアアドバイザーの仕事に将来性はないのかといえば、そんなことはないでしょう。まず、一見すると情報入手の点で差別化が難しい状況だからこそ、顕在化していないレベルの情報を引き出すことや、細やかな提案でサポートすることの価値が高くなります。企業の規模やネームバリューではなく、キャリアアドバイザー自身の付加価値、ブランディングの時代です。増えているといわれるキャリアアドバイザーの独立開業が裏付けになりそうです。

 

AIとの関係では、AIにできることはわざわざ人間がやる必要はありません。そこはAIにやらせておいて、「人間だからこそ、自分の経験値だからこそできること」を考え、取り組むことによって、人間のキャリアアドバイザーとしての自分に価値が生まれます。

 

AIが注目される時代だからこそ、人間のキャリアアドバイザーにしかできないことをやるチャンス!

キャリアアドバイザーにとって一番の仕事は、転職を希望する求職者に寄り添い、転職活動のすべてをサポートすることです。AIがどれだけ進化したとしても、人に寄り添えるのは人しかいないでしょう。

 

AIに注目が集まることで、キャリアアドバイザーの仕事に不安を感じる人が増えているとすれば、キャリアアドバイザーに興味がある人にとって大きなチャンスかもしれません。人間にしかできないことをしっかりと行うことで、活躍できる可能性が広がります。

 

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