2025年1月10日公開
最終更新日:2025年1月10日
投稿者:キャリアアドバイザー求人ナビ編集部

人材紹介事業で独立すると年収はどうなる? 利益率など数字に加え失敗しないための注意点など徹底解説!

成長著しい人材紹介を事業として独立すると年収はどれくらいになるのでしょうか。期待を含めて疑問に思っている人も少なくないでしょう。人材紹介は人材業界のなかでも比較的参入のハードルが低いといわれている事業です。

 

この記事では、人材紹介で独立した場合の年収や利益率などの数字とともに、失敗しないためのポイントなども解説します。

 

人材紹介で独立すると高い年収も夢ではない

指でマネーサインを作る男性

人材紹介の事業で独立すると、やり方を間違えなければ高年収も可能です。ここではその理由を解説します。

 

人材紹介は成功報酬型の手数料ビジネス

人材紹介の事業は職業安定法に定められた有料職業紹介事業です。基本的に転職を希望する求職者と求人企業とのマッチングが成功し、採用となった場合の成功報酬で成り立つ手数料ビジネスである点が高い年収につながります。手数料は求人企業から支払われ、求職者が受ける相談・支援などの各種サービスは無料です。成功報酬制とすることで、マッチングの過程で実施される様々な作業に対する報酬がない分、報酬額が高額になるため高い年収を狙えます。

 

手数料の相場は年収の30~35%で利益率は20%前後

成功報酬として受け取る紹介手数料の相場は、採用された人材に支払われる想定年収の30%程度となっており、高ければ35%もあります。年収500万円の人材をマッチングさせれば150万円~175万円くらいの高額報酬が発生する仕組みです。さらに、売上単価が高いだけでなく、利益率は20%前後と他の人材関連業種と比べても大きい点が特徴といえます。つまり、人材紹介は儲けの大きい事業になりやすいといえるでしょう。

 

マッチングの成功数だけ報酬が積みあがる

人材紹介の売上はマッチングに向けた過程がどうであれ、マッチングの成功数だけ加算されることになります。もちろん、過程が適正であればより結果を出しやすいことはいうまでもないでしょう。独立したばかりであっても、うまくいけば年収が1,000万円以上になることもあります。

 

年収500万円の人材を成功報酬30%で毎月1人マッチングさせれば、計算上では年間で500万円×0.3×12人、合計1,800万円となります。2人なら3,600万円、3人だと5,400万円と上積みが可能です。もっとも、この数字はあくまでも売上額であり、そのまま個人の年収になるわけではありません。とはいえ、5,400万円の売上で利益率が20%なら1,080万円の利益が出ます。そこから支払われる個人の年収も期待できるのではないでしょうか。

 

低コストで運営できるビジネスモデル

COSTの文字と下向き矢印

売上が多くてもコストが多ければ高い利益率にはなりません。しかし、人材紹介は利益率20%といわれています。業種によってはもっと利益率の高いビジネスもありますが、人材業界で20%は優秀です。何より人材紹介は固定費も変動費も低コストで運営できるビジネスモデルとして注目されています。

 

オフィスの経費とスタッフの人件費で業務ができる

人材紹介を事業とする場合、拠点となるオフィスの賃料などの経費を用意し、キャリアアドバイザーなどのスタッフを揃えるための人件費があれば運営体制を構築できます。ただし、前述したように人材紹介事業は職業安定法に定められた有料職業紹介事業です。参入するためには厚生労働大臣の許可を受ける必要があります。別途、許可の条件となっているコストがかかる点に注意が必要です。もっとも、人材派遣業と比較すれば条件のハードルは低いといえます。

 

少数精鋭なら人件費もかからない

独立したばかりの頃は顧客となる求人企業も求職者の登録数も少なく、事業規模が小さいケースが多いと考えられるため、スタッフを大勢抱える必要がありません。また、大勢抱える体力もないでしょう。そこで、人数を絞り少数精鋭の業務執行体制を作ることで人件費を抑えながら売上を作ることができます。さらに、スタッフを抱えず外注も使わないなど、自分だけで業務を回せばより低コストでの運営も可能です。

 

▼人材紹介のビジネスモデルについては、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。

人材紹介事業のビジネスモデルとは?事業として気になる利益率なども合わせて徹底解説

 

人材紹介で独立するためにかかる諸費用

諸費用の文字とコイン模型

人材紹介の事業は低コストで運営できるビジネスである反面、許可事業であることから立ち上げにあたっていくつか必要な費用があります。

 

有料職業紹介事業の許可申請にかかる費用

まず、前述したように厚生労働大臣の許可がなければ事業を行えないため、許可の申請が必要です。自動車の運転免許も同じですが、行政の許可を得るためには費用負担があります。

・新設の申請手数料として5万円、事業所が複数ある場合は1つにつき1万8,000円を加算

・登録免許税として9万円

 

支払う費用としては14万円で、その他に職業紹介責任者講習会の受講費用が1万円前後必要です。

 

また、支払う費用ではありませんが、許可基準として財産的基礎が設定されています。

・基準資産額として500万円×事業所数

・現預金として150万円、複数の事業所がある場合、(事業所数-1)×60万円を加算

 

500万円の基準資産額が多いか少ないかはそれぞれの感じ方になりますが、人材派遣業と比べると低いハードルです。とはいえ、仮に事業所の数が2つなら基準財産額は1,000万円に、3つなら1,500万円になるため参入のハードルが高くなってしまうでしょう。しかし、新規に人材紹介事業を立ち上げた時点では、複数の事業所を運営するまでには至っていないケースが多いと考えられます。したがって、比較的低いハードルをクリアすれば参入可能です。

 

個人ではなく会社組織で運営する場合、法人の設立費用が別途かかります。金額は株式会社の場合で20万円前後です。

 

オフィスの設備や什器備品

事業の拠点となるオフィスは自社物件か賃貸物件のどちらかになるでしょう。取得費用か賃料がかかります。箱モノとしてのオフィスは、それだけでは業務の遂行ができません。最低限の設備や什器備品を入れる必要があります。電話回線、エアコン、パーテーションや棚、デスクやパソコンなどのIT機器やソフトウェアといったソリューションがなければ業務に支障をきたしかねません。

 

また、筆記用具やその他の消耗品も必要です。何を入れるかで費用が大きく変わるため、細かく検討する必要があるでしょう。

 

当面の運転資金

人材紹介事業は成功報酬型のビジネスです。依頼を受けてすぐに結果が出るわけではなく、マッチングが成功するまでにそれなりの時間が必要となります。そのため、売上として成功報酬が入金となるまでの間を回す運転資金が欠かせません。

 

主な出費として、賃料や人件費の他には、水道光熱費、通信費、求人企業と求職者を募るための広告宣伝費や交通費、サブスクリプション型クラウドITソリューションの月額利用料などがあります。

 

人材紹介の独立が失敗する要因

ノートPCの前で頭を抱えるビジネスパーソン

ここでは独立を成功に導くために知っておきたい、人材紹介の独立が失敗する要因について解説します。

 

人材紹介業界はレッドオーシャン

人材紹介業界は既存の大手・中小の業者が多数あり、しのぎを削っている業界です。また、年々成長中で将来性が見込まれる点で注目を集めています。さらに人材関連の業界のなかでも、費用に対して利益が大きい業界であることから新規参入の意欲も活発です。その結果、いわゆるレッドオーシャンと呼ばれる激戦区となっている事実があり、とりあえずといった感覚で独立しても成功はおぼつかない厳しい環境になっているといえます。

 

事前の準備不足

人材紹介に限った話ではありませんが、独立する前の準備が不十分だと失敗に終わる可能性が高くなります。準備不足になる理由として考えられるのは、人材紹介会社を立ち上げるために必要な基本的知識が備わっていなかったり、独立を急ぎすぎたりといった状況です。

 

人材紹介事業を営むにあたって欠かせない主な事前準備を以下に示します。

・マーケットの調査

市場の動向を把握せずに乗り込んでいったとしても、変化する状況への対応が遅れるなど、思うような活動ができないでしょう。

 

・営業手法の確立

試行錯誤は大事ですが、営業手法に統一性がないと行き当たりばったりの活動になりやすいといえます。方法論で迷走し、再現性の乏しい仕事になってしまっては、前回は成功したのに同じ条件の今回は失敗に終わってしまったなどという結果になりかねません。

 

・十分な資金の用意

成功報酬制で活動する前提では、売上が立って入金になるまでの一定期間を問題なく過ごせるだけの運転資金が必要です。この金額を過少評価していると、資金ショートによる失敗につながります。

 

・他社との差別化を含む営業戦略の立案

数ある人材紹介会社のなかで自社を選んでもらうための差別化をどうするかを含め、営業戦略の立案を丁寧に行わないとその他大勢として埋没しかねません。

 

顧客獲得が進まない

これができなければ失敗は当然という決定的なテーマが顧客の獲得です。ここでいう顧客とは求人企業と求職者の両方を指します。レッドオーシャンで新規参入者が顧客を獲得するのは実績面や信頼関係の面から容易ではありません。とくに業界経験が短い、そもそも経験がない場合はより厳しい戦いとなる可能性が高くなります。

 

そのため、とにかく募集を強化しようとして広告費を多くかけてしまい、報酬のほうが少なくキャッシュフローの悪化から撤退というケースになりがちです。

 

人材紹介の独立で失敗しないためのポイント

指を立ててほほ笑む女性ビジネスパーソン

続いて人材紹介の独立で失敗しないためのポイントについて解説します。

 

しっかりと準備を行う

人材紹介事業での独立が失敗する要因を消すことで、成功する確率がアップします。先に述べた要因を見てみると、レッドオーシャンである事実を変えることはできません。現状を理解したうえで気を引き締めて業務にあたる必要があります。準備不足は自分の意思で回避可能です。何が足りないかをチェックしながら、事前準備をしっかりと行うことが重要だといえます。顧客獲得については、事前準備とともにその他の対策を考える必要があるでしょう。

 

組織体制を強化する

人材紹介事業の成否を分けるポイントに、人材の問題があります。情報共有の必要性が叫ばれるなかで、人材紹介・転職エージェントの分野は個人の技量に依存する部分も多く、属人的な仕事である点を否定しきれないといえるでしょう。したがって、経験豊富でノウハウを持っているキャリアアドバイザーやリクルーティングアドバイザーを揃えることが成功への近道です。

 

ただし、独立したばかりで優秀なスタッフを揃えることは難しい面があるため、事業の規模を小さくして大勢ではなく少数精鋭の組織体制強化を図ります。もちろん、いつまでも属人的な業務のままでよいわけではないため、再現性を考慮したうえでの情報共有や教育、アシストが重要です。

 

外部サービスの活用

自社では難しいことでも外部サービスを使えば効率よくできるといったケースは少なくありません。求人企業の新規開拓が容易ではない事実が、新規参入者の成功を阻む高いハードルになっている点の解決策として活用されている求人データベースは、外部サービス活用の代表例です。

 

求人データベースには、求人企業のニーズや求人票などリクルーティングアドバイザーの活動結果として得られる情報が揃っています。リクルーティングアドバイザーの業務を省略できるため、少数精鋭の運営に適しているといえるでしょう。求人データベースのサービス提供企業に対し、利用料を支払うことで活用できます。ただし、求人データベース内の求人企業に直接アクセスすることはできません。

 

ITソリューションの活用

ITソリューションの活用は独立の成功に欠かせないポイントの一つです。人材紹介事業においても、他の事業と同じで様々な事務処理が発生します。また、顧客管理や進捗管理などのシステムも必要ですが、これらをアナログな手法で処理するには限界があり非効率です。目標達成に向けて中心業務に注力するため、ITソリューションを導入して業務の効率化を図ることが求められます。

 

PDCAを回す

PDCAを回すことで、漏れのない業務改善を試みます。独立したばかりで事業規模が小さく、PDCAを回しやすい時期にシステム化しておけば、規模が拡大した後も効率よく業務改善ができるでしょう。

 

人材紹介の独立で年収を上げるためには

人材紹介の事業で独立すれば高年収を期待できますが、より年収を上げるためのポイントを3つ紹介します。

・想定年収が高い業界や幹部クラスに力を入れる

人材紹介の成功報酬の算定に想定年収が使われることから、想定年収が高い人材のマッチングに注力することで、より高い年収を狙えます。

 

・営業規模を拡大する

マッチング成功の人数が増えれば成功報酬が積み上がる仕組みとなっていることから、営業規模を拡大してマッチング成功数を増やせばより高い年収を目指せます。

 

・コストを抑える

入ってくる金額と出る金額、つまりコストとの差がプラスで大きければ、利益も大きなものとなり、より高い年収につながります。

 

人材紹介の独立に向いている人とは

ガッツポーズのビジネスパーソンたち

ここでは人材紹介での独立に向いている人の特徴を紹介します。

 

キャリアアドバイザーなど人材紹介の経験を積んでいる

キャリアアドバイザーやリクルーティングアドバイザーなど、人材紹介の仕事を行って経験を積んでいる人は、自身のキャリアを活かせるため人材紹介での独立に向いています。

 

集客に関するノウハウを持っている

集客に関するノウハウを持っている人は、新規参入で一番のネックになるともいえる集客の難しさを解決できる可能性が高いことから人材紹介での独立に向いているでしょう。

 

幅広い人脈を構築している

幅広い人脈を構築している人は、信頼関係の構築が重要となる人材紹介での起業に優位性を持っているといえます。

 

試行錯誤を継続する力がある

人材紹介に限らず、事業が軌道に乗るまでは試行錯誤の繰り返しが珍しくありません。失敗が続いても諦めずに工夫を重ね、継続する力がある人は人材紹介での独立向きです。

 

人材紹介を安易に儲かると思わないで努力できる人

比較的に参入しやすく、高額の年収を期待できるからといって安易に考えず、地道な努力ができる人は人材紹介会社の経営に向いているといえます。

 

人材紹介で独立して年収を上げたいなら事前準備をしっかり行おう

人材紹介の事業は比較的参入しやすく高年収を期待できる分野ではあるものの、楽をして儲かる仕事ではありません。レッドオーシャンと呼ばれる厳しい競争を勝ち抜くことは、並大抵のことではないといえるでしょう。

人材紹介の事業で活躍してみよう、年収を上げようと思うなら、入念な事前準備が欠かせません。

 

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