2025年1月25日公開
最終更新日:2025年1月25日
投稿者:キャリアアドバイザー求人ナビ編集部

人材紹介という仕事はどのようにおこなわれる? 業務フローを基本から解説

キャリアアドバイザー、リクルーティングアドバイザーなど人材紹介の仕事を行う場合には、求人企業側と人材紹介会社、求職者それぞれの状況にあわせた業務フローがあります。個別の内容は異なるものの、業務の進行形態としては定型的なものとして流れていくのが人材紹介の仕事です。

 

この記事では、これから人材紹介の業界へ転職する、転職を考えているという方に向けて、一般的な業務フローの基本からポイントを押さえて解説します。

 

人材紹介ビジネスの大まかな流れ

打ち合わせする男女

人材紹介ビジネスは、企業側から求められている人材を紹介し、マッチングが成立した時に手数料を得るビジネスモデルです。また、求人や採用に付随する様々な業務の遂行やコンサルティングもビジネスの根幹をなしています。

 

まずは求人企業と人材紹介会社との間の一般的な業務フローを紹介し、それぞれのステップごとに、求人企業と人材紹介会社双方で行われる業務内容を解説します。

 

契約

求人企業と人材紹介会社の接点は広告宣伝に対する反響や飛び込み営業、紹介営業など様々です。求人企業は数ある人材紹介会社のなかから、自社のニーズに応えてくれるであろう業者を選択して契約を締結します。人材紹介会社の営業担当者としては、競合他社との争いを勝ち抜いて自社を選んでもらえるアプローチが必須です。ただし、求人企業が1社だけに依頼するとは限りません。

 

採用・候補者の要件設定

採用要件のヒアリングを通じて求人票の作成を行います。求人企業としては、どのような人材が欲しいかを明確に示す作業であり、人材紹介会社側からは候補者となる求職者の選定を実施するために欠かせない作業です。求人票の作成自体は求人企業が行うケースもあれば、人材紹介会社が代行するケースもあります。求人票が完成すれば、人材紹介会社ではニーズにマッチしそうな求職者に求人を紹介し、本人の希望があれば候補者として応募へと進む流れです。応募書類の作成にあたっては、求職者に対するサポートを行います。

 

選考

応募書類の提出後、求人企業では書類選考を行います。書類に問題がなく、会ってみたい人材だと判断すれば、人材紹介会社との間で面接の日程調整に入りますが、求職者との調整もあるため人材紹介会社側の調整力が重要なステップです。

 

人材紹介会社では面接に向けた求職者サポートが行われます。主なサポート内容は、模擬面接や面接同行などです。面接後、求人企業は合否判定を行い通知します。面接結果に応じて人材紹介会社では、求人企業と求職者の双方に対するフォローが行われます。

 

内定

選考結果が合格であれば、求人企業は内定を出します。内定を受けて細かい条件交渉を行いますが、条件交渉が可能な点は、求職者が直接応募する転職活動とは大きく異なる特徴です。交渉がまとまれば、正式な採用手続き、入社手続きへと進みます。

 

入社

入社が決まり初出勤を迎えれば、一連の求人・転職活動がそこで終わるというわけではありません。人材紹介会社には入社後のフォローという大事な業務が残っています。せっかくマッチングした人材が短期間で離職してしまわないための活動です。入社後のフォローは、求人企業と求職者双方に対するサービスであると同時に、紹介手数料の返金を防ぐための活動でもあります。

 

人材紹介業には「登録型」と「サーチ型」がある

ノートパソコンを持つ女性

人材紹介業の主なサービス形態には登録型とサーチ型があります。どちらのサービス形態で事業を行っているかは人材紹介会社次第です。また、両方のサービス形態で事業を行っている業者もあります。ここでは登録型とサーチ型それぞれの仕組み・特徴を解説しましょう。

 

登録型の人材紹介業

登録型の人材紹介業は、自社に登録している求職者を求人企業に紹介する形態のサービスを提供しています。求人企業にとっては、推薦を受ける人材の範囲が限られるかわりに、人材紹介会社がよく知っており、サポートをしているマッチ度の高い求職者が候補者となる点が大きなメリットです。

 

転職を希望している求職者は、転職エージェントとしてのサービスを提供している人材紹介会社のなかから、自分のニーズにマッチする業者を選びます。その際、1社に絞らず数社選んで登録するケースが一般的です。求職者の多くは人材紹介会社のサイトを目にしたり、広告宣伝に触れたりといったきっかけで登録します。登録型は一般紹介型とも呼ばれており、業種や職種を限定しない総合型と、特定分野に特化した専門型に分かれます。

 

サーチ型の人材紹介業

サーチ型の人材紹介業では、自社に登録している求職者はもちろんのこと、外部の求職者もターゲットに入れて求人企業に推薦するサービスを提供しています。外部の求職者とは、同業他社に登録している求職者や、SNSなどを通じて探し出してきた求職者です。求人企業にとっては、数多くの人材のなかから候補者が選ばれるため、よりマッチ度の高い採用が期待できます。

 

一方で、必ずしも人材紹介会社と推薦された求職者の関係性が強いわけではなく、人選ミスにつながるおそれがある点に注意が必要です。サーチ型はヘッドハンティング型などとも呼ばれており、転職を考えていない人材にもアプローチする点が特徴となっています。主として上級層の人材獲得に使用されるサービス形態です。

 

人材紹介会社側の法人営業担当の業務フロー

ミーティングするビジネスマン

ひとくちに人材紹介会社といっても、内部での業務分担には様々な形態があり、職種の種類や職種ごとの担当業務にも業者による違いがあります。ここからは一般的な例として、法人営業として求人企業を担当するリクルーティングアドバイザーと、求職者側の対応を担当するキャリアアドバザーで業務を分担しているケースの業務フローをご紹介しましょう。まずはリクルーティングアドバイザー側の業務フローです。

 

求人開拓

リクルーティングアドバイザーの仕事は企業から求人の依頼を受けることが第一歩となります。そのためには、顧客となる企業の開拓が欠かせません。求人開拓には既存顧客からのリピートもありますが、同じ企業が何度も繰り返して人材を採用するケースは多くないといえるでしょう。したがって、リクルーティングアドバイザーは新規顧客の開拓に力を入れます。

 

主な顧客開拓手段はターゲットを設定してのテレアポやメール、既存顧客および関係先からの紹介、反響を期待した広告宣伝などです。また、効率のよい開拓手段として求人データベースも活用されています。

 

求人企業との契約締結

求人企業との接点ができれば、契約締結に向けて採用に関する情報をヒアリングします。その際、表面的なニーズだけでなく、採用に関してどの程度の本気度があるかの見極めも重要です。早急に採用しなければならない状況にあるケースでは、あまり時間をかけなくても成果につながる可能性が高いといえるでしょう。一方で、とくに優秀な人材がいれば採用してもよい程度のケースでは、労力の割に成果につながりにくい可能性があります。

 

さらに、当該企業の特性や安定感、将来性といった点についての情報収集も必要です。取引相手としての妥当性に加え、求職者とのマッチングを進めるうえでも欠かせない情報だといえます。また、契約に際しては業務の手順やコミュニケーションに関する事柄について擦り合わせておくことが重要です。

 

求人票の作成

契約が成立すれば採用活動の開始です。まずは求人票を作成します。契約締結前に求人票の作成を進めるケースもありますが、契約前に走り過ぎてしまうと、契約不成立となった場合、損失につながるため注意が必要です。

 

求人票の作成に必要な情報としては、業務内容や採用するポジションに加え希望する人材のタイプ、必要または望ましい資格とスキルなどがあります。求人企業によって特色のある部分でもあり、しっかりとヒアリングし求人票に落とし込むことが重要です。また、求職者に興味を持ってもらうために、魅力ある求人だと思われる求人票を心掛けて作成します。

 

社内共有

完成した求人票の内容を求人企業の情報とともに社内で共有します。リクルーティングアドバイザーとキャリアアドバイザーによる分業制の業務において、求人情報を求職者に紹介する役割を担う仕事は、キャリアアドバイザーの担当だからです。より求人企業のニーズに応えるため、マッチ度の高い人材紹介を実現するためには、求人票に載っていない細かな情報の共有も欠かせません。サーチ型の場合はより細かい指定が入るため、対象外の人材が候補にならないよう注意する必要があります。

 

日程調整

キャリアアドバイザーから求職者の応募意思が伝えられたら、応募書類の提出期限を調整します。応募書類が上がってきたら求人企業に提出しますが、しっかりと内容のチェックを行うことが重要です。書類選考を求人企業が行うケースとリクルーティングアドバイザーが代行するケースがあり、前者では選考でOKが出なければ先に進みません。書類選考を通過すれば、面接日程の調整に入ります。

 

推薦文作成

紹介した求職者の採用をプッシュするために、推薦文の作成を行うケースがあります。求人企業にとってのメリットを可視化することで、採用への意欲を高めてもらえれば、早期の内定実現も可能です。推薦文はキャリアアドバイザーが作成するケースもあります。

 

条件交渉

選考の結果、採用の方向性が示されれば細かい条件の交渉を行います。この条件交渉は内定後に実施されるケースもあり、どちらのタイミングで行うかは取り決めにより、またはケースによるといえるでしょう。

 

内定連絡

求職者に対する内定の連絡はキャリアアドバイザーを通じて行います。内定しただけでは入社するとは限らないため、最終的な意思確認が必要です。他の転職エージェントを利用して別の会社に内定しているケースでは、当該内定を断ってもらわなければなりません。その際、こちら側の内定先と細かい条件の調整が必要になるケースもあり、最終的な条件交渉を経て入社意思の確認確認へと続きます。

 

入社後のフォロー

求人企業側での採用手続き、求職者側での入社手続きが終わり晴れて入社日を迎えれば、当該案件におけるリクルーティングアドバイザーの仕事は山を越えたといえるでしょう。しかし、まだ終わったわけではありません。入社後のフォローが重要です。入社後のフォローは求職者が安心して働くために、そして求人企業に満足してもらうために行います。

 

ただし、入社後のフォローに期待する効果はそれだけではありません。先に述べたように、入社から間もない期間で退職してしまえば、成功報酬の一部を返金しなければならなくなってしまいます。人材紹介会社のビジネスモデルでは、マッチング成功時に求人企業から入金される紹介手数料が収益の柱であり、求職者に対するサービスは無料が原則です。したがって、返金が必要な事態は避けなければなりません。

 

紹介手数料の設定には職業安定法32条の2の規定によって上限制手数料または届出制手数料が使われており、勝手に上げ下げできるものではない点が特徴です。上限制手数料を採用した場合は、多くの場合で賃金の10.8%とされる上限額以下でなければなりません。実際には、厚生労働大臣に手数料表を届け出ればよい届出制手数料を採用する業者が多いといえます。その相場は、想定年収の30%程度が一般的です。

 

人材紹介会社側の求職者担当の業務フロー

男女の人材担当者

続いてキャリアアドバイザー側の業務フローを解説します。

 

求職者との面談

キャリアアドバイザーは自社に登録した求職者の転職活動を、最初から最後までサポートする職種です。最初にカウンセリングを行い希望や経歴、保有資格といった基本的な情報の収集と確認を行います。また、適宜実施される面談には転職活動の悩み相談、キャリアについての提案といった内容も含んでおり、担当者個人が持つノウハウやコツが活きる部分だといえるでしょう。また、進捗の管理確認も重要な業務内容のひとつです。

 

キャリアアドバイザーの業務内容には登録者の獲得が含まれるケースもあります。登録者を新規獲得する主な集客方法は、自社サイトへの誘引、セミナー参加者へのアプローチ、SNSや広告宣伝の活用、関係者などからの紹介です。

 

書類添削

一般的な履歴書や職務経歴書など応募書類の添削を進めることも重要な業務のひとつです。応募書類は求職者を売り込むために欠かせない資料となるものであり、応募先企業が決まってから対策を始めていては遅いといえるでしょう。応募先企業が決まって、実際の応募書類を作成する際には、先方に合わせて適切な書類の作成を支援します。

 

求人紹介

書類添削などのサポートに並行して求職者にマッチすると考えられる求人を探し、該当する求人があれば紹介します。応募が可能な求人はキャリアアドバイザーが紹介する求人だけではありません。求職者が検索して探し出した求人についても細かいサポートを実施します。

 

日程調整

応募の意思が固まったら、リクルーティングアドバイザーを通じて日程調整を行います。書類の提出期限や面接日程は、早いに越したことはないものの、求職者に過度な負担がかからないように配慮することも重要です。

 

面接対策

キャリアアドバイザーの重要な業務のひとつが面接対策です。人材採用の選考において、自社の採用担当者による面接を重視している企業は少なくないため、入念かつ徹底的な準備が求められます。模擬面接の実施も有効な対策です。複数回の面接を行うケースでは、先に行われた面接のフィードバックが役に立ちます。次の面接に活かすために、リクルーティングアドバイザーとの円滑で密な連携が欠かせません。

 

内定連絡

リクルーティングアドバイザーを通じてもたらされた内定の通知を、求職者にいち早く連絡して入社意思の確認を行います。その後に続く条件交渉や他の内定先との調整などは、時間が限られているなかで拙速な対応を避けつつ問題なく進める必要があり、より重要なステップだといえるでしょう。また、在職中の転職活動では、現職の退職を円滑に進めるためのサポートを行うケースもあります。

 

入社後のフォロー

入社後のフォローについては、リクルーティングアドバイザーとまったく同じ前提があります。求職者と求人企業の双方がメリットを感じ、長期の勤務となるための手助けとなるよう、リクルーティングアドバイザーとの連携によるフォローが必要です。そのなかで、キャリアアドバイザーは求職者側を担当します。

 

人材紹介の業界へチャレンジする際には大まかな業務フローを理解しておこう

人材業界の業務フローは同じ業種の同じ職種であれば、基本的に相手にかかわらず同じです。中身は求人企業ごとに、求職者ごとに異なるものの、業務の進め方自体は慣れてしまえば難しくはないでしょう。

 

同時に、人材紹介の仕事は採用・転職という重要な局面で人の役に立つやりがいが大きい仕事です。ただし、人によっては同じことの繰り返しに感じられ、苦痛になってしまうケースがあります。たとえばキャリアアドバイザーになってから、思っていたのと違うといった事態が起こらないとは断言できません。以上のことから、チャレンジする際には、大まかな業務フローを理解しておくことをおすすめします。

 

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