2024年11月10日公開
最終更新日:2024年11月17日
投稿者:キャリアアドバイザー求人ナビ編集部

キャリアアドバイザーの志望動機はどんな内容にすれば良い? 履歴書記載時・面接時の考え方や注意点を紹介

キャリアアドバイザーになりたいと思って応募する際に、頭を悩ませる項目のひとつとして履歴書に書いたり、面接で話すことになる「志望動機」があるのではないでしょうか。なりたいと強く願ってキャリアアドバイザーに応募する人であっても、いざ企業に志望動機を伝えるとなると、「どこからどう伝えれば適切か」と悩んでしまうものです。

 

特に転職時には、前職からキャリアチェンジすることについてハッキリとした理由の説明を求められる可能性があり、考え込んでしまうかもしれません。本記事では、キャリアアドバイザーの志望動機について、必要な知識や記載例などをまとめて解説します。

 

▼キャリアアドバイザーの基本知識や具体的な仕事内容についてはこちらの記事でも総合的に解説しています。

キャリアアドバイザーってどんな業務?仕事内容を徹底解説!

 

そもそも履歴書や面接で伝える「志望動機」の意味合いって?

意味の2文字

キャリアアドバイザーへの転職を希望している方々にとっては、すでに社会に出てキャリアを積んでおり、改めて聞くまでもないということもあるかもしれません。しかし、理解が十分ではない方や、再確認しておきたい方へ向け、あらためて基礎知識として志望動機の意味合いをご紹介しておきます。

 

志望動機と自己PRは別モノ

まず、履歴書や面接において自分の言葉で伝える項目として、志望動機の他には自己PRがあります。この2項目を似たようなものだと考えている方がいるかもしれません。しかし、志望動機と自己PRはまったくの別モノです。

 

志望動機とは、その名のとおり「その企業や職種を志望することになった動機」を指しています。なぜその会社に入りたいのか、なぜその職種に就きたいのか、入社してどのような仕事をしたいのか、何を実現したいのかを伝えるのが志望動機です。ひと言でいえば、入社後の展望について語るものといえます。

 

一方、自己PRは現実の自分について、強みといえるものをアピールするために用意されているものです。具体的には過去に残した実績や、積み上げたスキル、性格上のプラス材料などが提示する要素となり得ます。

 

志望動機は特に中途採用において採用側が重視する項目

志望動機は新卒採用でも中途採用でも聞かれることではあるものの、中途採用では他の項目よりも重要度が増すといわれています。転職・求人情報サイトである「doda」が実施したアンケート調査(※1)によれば、志望動機は採用担当者が重視する書類の項目で上位にランクインしているようです。金融系専門職を除く職種で志望動機が重視されています。

 

また、少し古いデータですが、やはりdodaが実施した調査によれば、中途採用では「熱意・ポテンシャル」を重視すると回答した採用担当者が約4割にものぼったとのことです(※2)。

 

熱意・ポテンシャルは志望動機とは異なるのではないかと思われるかもしれません。事実、志望動機は別項目として設定されており、熱意・ポテンシャルよりも低い順位になっています。しかし、熱意やポテンシャルをアピールできるのは、まさに志望動機の項目です。表面的な「入社したい理由」としての志望動機ではなく、何をやりたいか、自分のスキルで何ができるか、何を実現したいかを示す志望動機は、そのまま熱意・ポテンシャルと同義だと考えることができるのではないでしょうか。

 

※1 出典:doda「採用担当者のホンネ-中途採用の実態調査 採用担当者が履歴書・職務経歴書で一番見ているのはどこ?」

https://doda.jp/guide/saiyo/007.html

※2 出典:doda「ホンネの転職白書 採用担当者のホンネ 〜中途採用の実態調査」(2011.2.7更新)

https://doda.jp/guide/ranking/039.html

 

面接官は志望動機で「やる気の強さ」や「会社のビジョンとのマッチ度」を知りたい

面接官、採用担当者は志望動機で何を見ているのか。すでに熱意・ポテンシャルが重要であることを述べたように、多くの場合、やる気の強さを見ています。さらに、自社のビジョンとのマッチ度も志望動機で知りたい内容です。

 

中途採用は新卒採用と異なり、これまでの経験が意味をもっています。採用担当者としては、経験してきた業種や職種が募集と一致しない場合、内定を出したとして本当に入社してくれるのか、入社したとしてもすぐにやめてしまうのではないかといった疑問を持ってしまう傾向があります。そのため、志望動機でやる気の強さやマッチ度を確認するのです。

 

一般的な「志望動機」の内容検討の仕方

ルーペで拡大した内容の文字

ここでは志望動機の内容を、どのように検討するのかについて一般的な仕方をご紹介します。

 

アピールしておくべき基本的な4つのポイント

志望動機として履歴書に書くべき内容、面接で話すべき事柄として、基本的な4つのポイントがあります。選考を突破するために、忘れてはならないアピールポイントです。

 

・自分のどのような経験を活かしてどう貢献できるか

志望動機でアピールしておくべきポイントの1つめは、自分の経験を活かすことで会社にどのような貢献ができるかです。

 

志望動機といえば入社したい理由のことだと考え、「自分の希望する仕事だから」といった内容を書いたり話したりする人がいます。しかし、採用担当者が知りたいのは自社にとって必要な人材かどうかです。自社の仕事に役立つ人材、自社の事業の成長に必要な人材であり、一緒に仕事をしてみたいと思える人材だと判断してもらうためにしっかりとアピールする必要があります。

 

どう貢献できるかなどは志望動機でアピールする内容ではないと感じるかもしれませんが、志望動機は採用したいと思ってもらうための重要な要素であり、単なる希望的な内容ではせっかくのアピールチャンスを無駄にすることになりかねません。

 

・なぜその企業でなければいけないのか

よほど特殊な企業でない限り、同業他社は複数あり、同じ職種の仕事も多数あるでしょう。採用担当者は、数ある選択肢のなかから、なぜ自社を選んだのかを知りたいと考えます。履歴書や面接は自分を売り込むプレゼンテーションのツールやステージであり、「弊社を選んでいただいた理由を教えてください」といった質問が出るのを待っているよりも、志望動機として積極的にアピールしておくべきです。聞かれる前に伝えたほうが好印象につながります。

 

注意すべきは、「家から近いから」などのように何のアピールにもなっていない内容を避けることです。入社させたらお得だと感じさせることを心掛けます。

 

・事業内容や理念、商品やサービスへの共感

事業内容や理念、商品やサービスへの共感は、採用担当者が自社とのマッチングを考えるうえで最低限必要な内容だといえます。

 

履歴書や面接で志望動機を確認する理由は、この求職者を採用することで自社にとってどのようなメリットがあるか、一緒に目標に向かって仕事ができる人材かといった確認をするためです。先に述べた2つのポイントも、その答えを提示するものだといえますが、事業内容や理念、商品やサービスへの共感を示すことで、少なくともその会社についてしっかり調べており、冷やかしなどではないことをアピールできます。

 

・入社後、具体的にどのような仕事をしていきたいか

自分のどのような経験を活かしてどう貢献できるかと重なる部分がありますが、ここではより具体的な仕事をイメージしたアピールを行うことがポイントです。事業内容や理念、商品やサービスへの共感を前提としたうえで具体的な話をすることで、その会社にマッチする人材であることを印象付けます。

 

ケースに合わせて特にアピールするポイントを検討する

アピールしておくべき4つのポイントとともに重要となるのが、ケースごとのアピールポイントです。志望動機として特にこの部分が大きいとアピールすることで、強い入社意欲を印象付けます。

 

・経営理念に共感した場合

経営理念は企業によって異なるものであり、共感を示すことで他社ではなくその会社でなくてはならないことをアピールします。

 

・業界の将来性にひかれている場合

業界の将来性にひかれている場合、その業界と会社の現状や展望と絡めて、同業他社ではなくその会社に入りたい理由をアピールします。

 

・前職の経験が活かせると思った場合

前職との共通点や経験を応用できる点を示し、自分だからできる仕事での貢献度アップにつながることをアピールします。

 

キャリアアドバイザーの志望動機を考える際のポイント

人差し指をたてる女性

一般的な志望動機について確認できたところで、ここではキャリアアドバイザーの志望動機を考える際のポイントについて解説します。

 

キャリアアドバイザーの仕事内容を具体的に理解しておく

キャリアアドバイザーを志望してはいるものの、仕事の内容などを詳しく知っているわけではないという人は、具体的な理解を深めておく必要があります。仕事内容がよくわからないままでは志望動機の話に進まないためです。

 

キャリアアドバイザーは、転職エージェントなどの転職マッチングサービスを提供する企業において、求職者の対応を行う職種であり、一般的な名称として使用されています。資格が必要な職種ではないため、企業によっては転職アドバイザーや人材コンサルタントなどのように呼び方が異なっている点に注意が必要です。

 

求職者の対応とは、主に以下のような職務です。

  • スカウトメール・登録カウンセリング
  • 面談やメール、電話による転職活動の指導やアドバイス
  • 求人企業の紹介
  • 求人企業への求職者の推薦、スケジュール調整
  • 面接対策、応募書類の作成や作成支援、チェックや添削
  • 面接同行
  • 条件面などの調整
  • 内定後、入社後のフォロー
  • その他、転職支援に必要な業務

転職エージェントによって多少の違いはありますが、キャリアアドバイザーは担当する求職者の転職活動を、開始から内定、入社後まで支援しフォローします。求職者との面談・カウンセリングを通じて希望や能力に応じた求人を紹介し、企業への推薦、選考を通過し内定を得るための対策やアドバイスを行うといった専門性の高い仕事です。

 

また、入社後も短期で離職する事態に至らないようフォローする必要もあります。求職者や求人企業のためであると同時に、短期での離職はキャリアアドバイザー自身の評価にかかわるため、フォローは重要な業務です。

 

キャリアアドバイザーとは別にリクルーティングアドバイザーが置かれている転職エージェントでは、求職者対応に専念できます。しかし、リクルーティングアドバイザーが置かれていない場合は求人企業の担当を兼務することがある点に注意が必要です。

 

キャリアアドバイザーのやりがいについても理解しておく

キャリアアドバイザーのやりがいと、そのやりがいが及ぶ範囲についても理解しておきましょう。

 

キャリアアドバイザーは求職者の転職成功を支援することから、人の役に立てる仕事です。求職者と信頼関係を構築し、二人三脚で進めた転職活動が成功すると、大きなやりがいを感じられるでしょう。求職者からの感謝の言葉もやりがいにつながります。また、転職の支援を通じて求職者だけでなく、求人企業の人材不足解消の助けにもなり、例えば入社した求職者が画期的な商品を開発したようなケースでは、間接的ではあっても社会に貢献したやりがいを感じるかもしれません。

 

ただし、キャリアアドバイザーは求職者の転職という現在の問題を解決することはできても、その求職者の仕事について長期的に完全解決を目指すわけではありません。雇用が流動化していることや、企業の倒産などもあり、数年後、十数年後には再転職する可能性があります。また、ミスマッチを完全に防ぐことは難しく、入社はしたものの短期で離職してしまうケースもあるようです。

 

キャリアアドバイザーが目指すところを正しく把握しておく

キャリアアドバイザーという職種に何を求めるのかは重要な検討ポイントです。自分がなりたいキャリアアドバイザーの姿と、現実のキャリアアドバイザーが目指すところが同じでなければ志望動機にずれが生じるだけでなく、転職後の仕事が嫌になる可能性があります。

 

キャリアアドバイザーの仕事は営利企業である転職エージェントの業務として存在しています。つまり、求職者に寄り添い、人生に大きな影響を及ぼす転職活動をサポートすることが大切であると同時に、企業に利益をもたらすことが大切です。求職者にいくら感謝されたとしても、利益が出なければ優秀なキャリアアドバイザーとの評価は得られないでしょう。

 

転職でキャリアアドバイザーになりたい場合は、転職理由と志望動機にしっかり一貫性を持たせることが重要

キャリアアドバイザーに限ったことではありませんが、未経験でキャリアアドバイザーに転職する場合は、特に転職理由と志望動機に一貫性を持たせることが重要です。

 

転職理由が前職の会社が倒産したといったやむを得ないものであれば、一貫性の有無という話にはなりません。しかし、自ら転職を決意した場合は、一貫性があるほうが高い入社意欲と貢献度をアピールできます。

 

例)

転職理由の主旨「現職が固定された商材を届けるだけの仕事で顧客の課題解決に限界があるため、顧客にマッチする商材を自分で探すなどのコンサルティングセールスをしたい」

志望動機の主旨「社員の意見を積極的に取り入れ、新商材探しを含む課題解決型の営業が可能な企業だから」といった場合は一貫性があるといえるでしょう。

 

とはいえ、一貫していれば何でも良いわけではありません。転職理由が「年収をアップさせたい」で、志望動機が「高収入を期待できる」といった内容では、自分を採用するメリットを提示できていないため、一貫性を持たせる意味がないでしょう。ここでも採用する側の受け取り方を意識した対応が必要です。

 

【状況・転職理由別】キャリアアドバイザーの志望動機の例(例文付き)

書き方の文字

ここでは具体的なキャリアアドバイザーの志望動機例をご紹介します。あくまでもポイントをわかりやすくした短い例文であり、実際の志望動機として利用できるものではありませんし、流用はできません。志望動機を作成する際には、自分の状況に置き換えたより詳しいオリジナル文章での作成が必要です。

 

また、キャリアアドバイザーでなくてはならない内容を心がけ、可能な限りその会社でなければならない要素も入れましょう。履歴書に書く場合と面接で話す場合の違いにより「貴社」と「御社」の使い分けも必要です。

 

自身のキャリアを活かせる職種であると感じた

例えば、マネジメントや人事、提案型セールスで実績を上げた経験がある場合は実務経験、提案力、情報収集力などがアピールポイントになります。

 

・志望動機は人事分野で培ったキャリアを活かせる職種だからです。前職で採用や教育研修を長年担当しており、企業が求める人材や採用担当者に響くポイントを踏まえた求職者対応で事業拡大に貢献できると考え、成長著しい貴社を志望しました。

 

・志望動機は顧客の課題解決を支援したキャリアを活かせる職種だからです。コンサルティング営業職でトップの成績を維持した経験が求職者の課題解決に役立つと考えています。拠点の多い貴社なら、様々な場所でより良い転職支援と売上・利益の増大を目指せると考え志望しました。

 

仕事を見つけて頑張りたいと思っている人をサポートしたい

人の役に立ちたいというモチベーションをアピールするケースのポイントは、役に立ちたいステージが他ではなく転職であることです。

 

・志望動機は新しい仕事で頑張りたいと思っている人をサポートしたいからです。多様化する社会において自分らしさを忘れない働き方をしたい、そんな仕事を見つけて頑張りたい人、活躍したい人を支援する仕事に魅力を感じ、ニッチな業種・職種にも対応する貴社を志望しました。

 

・志望動機は第二の人生で仕事を頑張りたいと思っている人を支援したいからです。人生を左右する転職というターニングポイントで、失敗しない活動のお手伝いをしたいと考えて、志望者に寄り添い充実したサポートを実施する貴社を志望しました。

 

自分が過去にキャリアアドバイザーに助けてもらった経験から

キャリアアドバイザーとの出会いが志望動機になっている場合、そのときの気持ちなども含めるとよいでしょう。

 

・志望動機はキャリアアドバイザーに助けられた経験です。自分に合った仕事に迷っているとき、キャリアアドバイザーのカウンセリングで目の前が開けたような驚きがあり、自分もこの仕事をやりたいと思い志望しました。

 

・志望動機はキャリアアドバイザーに相談したことで、自分に合った仕事がわかった経験です。転職するかどうか迷っているときにキャリアアドバイザーに相談したことで、こんなにも人の役に立つ仕事は他にないとの思いが強くなり志望しました。

 

志望先の活動内容や理念に感銘を受けて

志望先の活動内容や理念に感銘を受けたケースでは、しっかりと内容を再確認する必要があります。活動内容や理念を勘違いしたり、言い間違いや書き間違いがあったりしては採用の可能性が低くなります。

 

・志望動機は求職者を徹底支援する貴社の理念に感銘を受けたためです。幅広い業種・多様な職種に対応することで、転職の悩みを持つ人を1人でも多く支援する貴社の姿が、自分の考えに通じるものであり、自分も貴社の一員となって貢献したいと考え志望しました。

 

・志望動機は新しい人生のスタートを応援する貴社の活動に感銘を受けたためです。生涯現役を目指す人が増えているなか、シニア層の転職に注力している貴社の一員となり、第二・第三の人生を支援する仕事に熱心に取り組みたいと考え志望しました。

 

志望先の対応業界が自分にマッチしていると感じた

自分が在職していた業界やよく知っている業界を得意とする志望先の場合、具体的な接点を根拠として書くとよいでしょう。

 

・志望動機は長年働いていた業界とマッチするからです。建築業界に20年いた身として、建築・建設業界に強い貴社なら経験や知識を活かした求職者支援ができ、貢献できるものと考え志望しました。

 

・志望動機は自分の業界経験とマッチしているからです。流通業界で様々な業務を担当したことで、業界特有の人材に関する課題を把握しています。流通業界の転職を支援する貴社のキャリアアドバイザーとなることで、求職者と求人企業の役に立ち、会社にも貢献できると考え志望しました。

 

自分の経験やスキルをキャリアアドバイザーで活かせると感じた

経験やスキルが活かせると感じた場合の志望動機は、これまでご紹介したケースと重なる部分が多いといえるでしょう。

 

・志望動機は自分のスキルを活かせる仕事だからです。部下を育成するうえで培ったコーチング力、適性を見抜く力が、貴社のキャリアアドバイザーとして求職者のカウンセリングやアドバイスを始めとする支援に役立つと考えて、幅広い業界からの転職者を受け入れている貴社を志望しました。

 

・志望動機は転職に失敗した経験からキャリアアドバイザーの力が必要だと感じたことです。前回の転職を経験し、効率良く効果的に転職を成功させるためにはキャリアアドバイザーの助けが必要だと痛感しています。そこで、自分が転職を支援する側になりたいと思うようになり志望しました。

 

【キャリアアドバイザーや人材業界の経験者の場合】

ここではキャリアアドバイザーを含む人材業界を経験している人の場合についてご紹介します。

 

・志望動機は経験を活かせる仕事だからです。キャリアアドバイザーとして働いていた前職では、対応する業界が限られていたため必ずしも求職者のニーズに応えることができませんでした。様々な業界に対応している貴社のキャリアアドバイザーとなることで、転職活動を頑張っている多くの求職者の役に立つとともに、業績アップに貢献したいと考え志望しました。

 

【キャリアアドバイザーや人材業界が未経験の場合】

キャリアアドバイザーなど人材業界の未経験者の場合についてご紹介します。

 

・志望動機は転職の支援を通じて多くの人の人生の役に立ちたいからです。人材業界と関連する職務経験はありませんが、老若男女が働く飲食店でスタッフをまとめる立場を務めるなかで、提案力やコーチング力が身についたと考えています。幅広い年齢層の求職者に対応する貴社で、経験を活かした活動を通じて貢献したいと考え志望しました。

 

【アピールしたい強み別】キャリアアドバイザーの志望動機の例(例文付き)

ビジネスパーソン人形と強みの吹き出し

自分の強みをアピールする際の例をご紹介します。そのまま使えるわけではないなどの注意点は、前述の例と同様です。

 

「提案力」をアピールする

前職が営業職や企画職であった場合など、職務で培った提案力をアピールする志望動機の例です。

 

・志望動機は自分が持つ提案力を活かせることです。前職では商品開発の企画を担当しており、製品化にあたっての社内でのプレゼンテーションや、顧客への売り込みで提案力を磨いてきました。キャリアアドバイザーが求職者にマッチする求人を紹介する際に、どのような求人なのか、なぜこの求人なのかを示す提案力が欠かせないと考えています。

貴社は幅広い層を対象とした多種多様な業種・職種を扱っていることから、よりレベルの高い提案力が必要だと考えて志望しました。経験で培った提案力を活かし、多くの求職者支援を通じて貢献したいと考えています。

 

「傾聴力」をアピールする

聴く力、傾聴力をアピールする志望動機の例です。ヒアリング力と重なる部分もあり、顧客対応や相談業務の経験で強化されるケースがあります。

 

・志望する理由は、長年にわたり培った傾聴力を活かせる仕事だからです。前職では様々な悩みの相談に応じていました。言葉だけでなく表情などにも注意して本音を探るなかで、解決策を考えるための傾聴力を育てることができたと考えています。キャリアアドバイザーは求職者の考えや気持ちを汲み取るスキルが必要だと考えます。

貴社は幅広い層の求職者を対象としていることから、どんな人が相手でも発揮できる自身の傾聴力が活かせると考えて応募しました。あらゆるニーズに対応できるキャリアアドバイザーとして貢献したいと考えています。

 

「情報把握力」をアピールする

情報を敏感にキャッチし、必要な情報を収集する情報把握力をアピールする志望動機の例です。

 

・志望の理由は情報把握力を活かした仕事ができるからです。前職ではシステム機器の設置や保守に欠かせない最新情報の把握や、現場トラブルにつながる要因を見逃さない情報把握スキルを磨いてきたと考えています。キャリアアドバイザーには、求職者と求人企業双方について的確な情報把握が求められると考えます。

キャリアアドバイザーが企業担当を兼務する貴社では、より高い情報把握力が必要だと考え応募しました。把握した情報を分析・共有し、成果につなげたいと考えています。

 

志望動機を履歴書に書くときの注意点

ノートに書かれた注意点の文字と標識

ここでは志望動機を履歴書に書くときの一般的な注意点をご紹介します。

 

200~300文字程度に収める

志望動機にはアピールしたいポイントをしっかりと書く必要があります。抜けが多い短文にならないように注意しましょう。ただし、履歴書は志望動機だけを書く書類ではなく、スペースも限られていることから長すぎる文章も考えものです。200~300文字程度に収めると良いといえます。

 

4つの基本的なポイントを押さえる

前述した4つの基本的なポイントを押さえているか、書いた後にしっかりと見直します。

  • 自分のどのような経験を活かしてどう貢献できるか
  • なぜその企業でなければいけないのか
  • 事業内容や理念、商品やサービスへの共感
  • 入社後、具体的にどのような仕事をしていきたいか

ただし、要点を抑えた簡潔な文章を心掛けないと、200~300文字程度に収まらない可能性があります。自分のキャリアの棚卸やキャリアアドバイザーの職務への理解、志望先企業の研究が進んでいれば、要領良く収めることができるでしょう。

 

Webで拾った例文の「まる写し」は厳禁

例文でも触れましたが、Webサイトで拾った例文はあくまでも例文です。どういった書き方が良いのか、ポイントはどこかといった点で参考にすると大いに役立ちます。しかし、そのまま流用することは厳禁です。

 

まず、多くの場合でその例文は著作権で保護されています。勝手に履歴書の中身として使うことは許されていません。仮に許されていたとしても、検索すれば出てくる文章を履歴書に書くことはリスクでしかないでしょう。検索しなかったとしても、採用担当者はこの手の文章に詳しいといえます。「この特徴のある文、前に見たことがあるな」と気づかれてしまうと、やる気なしと判断されて不採用がほぼ確定してしまうでしょう。

 

 

待遇面に関する記載は避ける

待遇面が気になるのは当然ですが、志望動機に待遇面に関する記載をするとメリットよりもデメリットが大きいといえます。採用担当者が志望動機を見る理由は、この人はどのような経験やスキルがあり、それを入社後にどう活かしたいのか、この会社が求める人材にマッチしているのかなどを確認することです。したがって、待遇面の記載があっても意味がないといえます。また、一般に志望動機に待遇面の記載をする人は、仕事よりも待遇に関心があるのだなと思われてしまい、非常識とはいわないまでも、採用意欲を低下させるだけです。

 

「勉強したい」など、貢献するのではなく与えてもらうような表現は避ける

企業が人材を募集して採用する理由は、仕事で貢献して欲しいからです。未経験なので入社して勉強したいといった内容の記載をする人がいますが、会社は学校ではありません。学校なら学費を払いますが、会社は給与をもらうところです。入社後に勉強することは事実であっても、志望動機に書くことではないといえます。勉強を貢献に置き換えて書くことを心掛けましょう。

 

志望動機を面接で伝えるときの注意点

女性面接官と女性応募者

ここでは面接で志望動機を伝えるときの注意点をご紹介します。

 

履歴書で記入した志望動機から内容を大きく変更しない

履歴書などの提出書類に志望動機を記入していない場合は別ですが、書類の内容と異なる志望動機を伝えることは避けるべきです。なぜ違うのか、どっちが本当なのか、といった疑問を持たれてしまいます。多少の変更なら口頭での説明で違和感なく伝えることも可能ですが、大きな変更は厳禁です。

 

パートごとに、結論から伝えることを意識する

志望動機は結論ファーストで話すことが重要です。4つのポイントがあるように、志望動機はいくつかのパートで構成されます。それぞれに結論ファーストが重要です。履歴書の文章なら見えている分だけ許容される範囲も広い可能性がありますが、面接で背景や根拠などから話し始めると、ゴールが見えないため、動機にたどり着く前に面接官の聴く気がなくなってしまいかねません。

 

話す順番が行ったり戻ったりにならないよう注意する

話しが前後に行ったり戻ったりしないように注意が必要です。面接の日時は事前に決まっています。キチンと志望動機を伝えられるように準備していれば、多少の緊張があったとしても話の順番がバラバラになる筈がありません。理由はどうであれ、その場で考えているような印象を与えてしまい、本気度を疑われることになりかねません。

 

長くなりすぎないよう1~3分程度で簡潔に伝える

結論ファーストもそうですが、志望動機をダラダラと語られても聴いている方が疲れてしまいます。コミュニケーション力を疑われるおそれもあるため、長くなりすぎないように簡潔に整理し、練習したうえで面接に臨みましょう。時間は1~3分程度ですが、3分で準備すると3分を超えてしまう可能性があります。必要な内容を押さえつつ、できるだけ短く話すことが重要です。

 

また、個別ではなく集団面接の場合は多くの志望者が話すため、特に指示がない限り、個別の場合よりも短いほうがベターだといえるでしょう。

 

話し方・話すスピードを意識する

面接での受け答えは、採用を勝ちとるためのものです。したがって、志望動機が相手にキチンと伝わることを意識する必要があります。わかりやすい話し方と聴き取りやすいスピードで話すことが重要です。目安として1分間で300文字弱を話せるように練習してみるとよいでしょう。

 

話すときの目線や表情も意識する

志望動機を話している間は面接官の目を見て、険しくならない程度に真剣な表情を意識します。注意したいのは、相手の目を見つめ過ぎないことです。「ガン見」のようになると逆効果となるため、適度に目の周囲に目線を外しながら話します。あまり大きく外したり、忙しく外したりすると不自然なため注意しましょう。

 

話している間、姿勢を崩してしまわないよう注意する

志望動機を話している間の姿勢にも注意が必要です。背筋や足など、大きく崩さずにシャキッとして話します。また、面接官が問いかけてきたときの応答として、頷いたりといったリアクションは大切です。

 

「志望動機が思いつかない!」と行き詰ったときの対処法

木の人形と自己分析の吹き出し

自分が入社を希望する企業とはいえ、採用につながるような志望動機は考えても思いつかないというケースがあるかもしれません。行き詰ったときにおすすめの対処法、コツをご紹介します。

 

時間をかけて自己分析をやりきる

履歴書にしても面接にしても、志望動機だけが要素ではありません。志望動機として考えるから思いつかない可能性があります。そんなときは、自分を売り込むための自己分析を、時間をかけてやりきることが重要です。自分の強みや経験、興味のあることを明確にすることで、仕事に求めるものが明らかとなり、志望動機が浮かんできます。

 

対象企業や業界についての研究を深堀りする

志望動機と志望先企業の中身は密接な関係があります。そこで応募対象の企業や業界について深堀して研究することが重要です。その結果、自分と企業や業界とのマッチ度がわかり、貢献できる点や期待する点もハッキリするでしょう。それが志望動機になります。

 

キャリアアドバイザーの志望動機を入念に検討して業界未経験でも「この人を採用したい!」と感じてもらおう

キャリアアドバイザーへの転職には志望動機の入念な検討が必要です。志望動機は自己PRとともに、自分を売り込むために使える要素であり、経験やスキルだけでなく、仕事に対する意欲やその企業に入社して働く熱意を伝えるチャンスをつくるものです。 業界未経験であっても、しっかりした志望動機を伝えることで、この人を採用したいと感じてもらうことができます。

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