2025年7月11日公開
最終更新日:2025年7月11日
人材派遣とSESの違いとは?メリット・デメリットとエンジニアのスキルを活かせる働き方を解説
人材派遣とSESはどちらも専門技術を活かした働き方ですが、契約形態や待遇は大きく異なります。SESは自身の裁量で働くこともあり、キャリアの広げ方に悩む人も少なくないようです。
この記事では、人材派遣とSESの違いをわかりやすく解説します。それぞれの職種のメリットとデメリット、報酬の相場など働き方を考えるうえで必要な情報をまとめました。現場で培った経験やスキルの活用方法についても解説します。ぜひ参考になさってください。
人材派遣とSESの契約形態の違い
「人材派遣」と「SES(システムエンジニアリングサービス)」は、どちらも外部の企業でエンジニアが働く点では共通していますが、契約形態や指揮命令の仕組み、法律上の扱いなどに大きな違いがあります。自分に合った働き方を見つけるためにも、それぞれの特徴を理解することが大切です。
人材派遣|雇用契約(派遣契約)
人材派遣は、派遣元である派遣会社と雇用契約を結び、実際に働くのは派遣先企業という働き方です。働く時間や休憩、業務範囲は派遣元と派遣先が結んだ派遣契約の内容にもとづきます。
派遣社員は契約の範囲で派遣先企業の指揮命令に従って働きます。働く時間や休憩などは派遣先のルールが適用されますが、契約外の業務や残業は原則発生しません。業務内容が明確なところが特徴です。
SES|準委任契約
SESはエンジニアは、SES企業と雇用契約を結び、クライアント企業と業務委託契約を結ぶ働き方です。エンジニアはクライアント先に常駐し、業務指示はSES企業から受けます。
クライアントからの指揮命令はなく、業務内容や残業などの労働条件は、SES企業が調整します。働き方は契約内容で変わるため、どのような条件で働きたいのか事前にSES企業と調整が必要です。
Sler|請負契約
Slerは「System Integrattion(情報システムの構築)」の頭文字に「er」をつけた略語です。成果物納品が目的の請負契約で働く形態です。エンジニアは、納期や品質に対して責任をもち、所属するSIer企業からの指示にもとづいて業務を進めます。
クライアント先に常駐することもありますが、指揮命令はSIer企業から指示され、クライアントから直接の指揮命令は受けません。業務内容が明確で、エンジニアの裁量で進められることから、スキルを活かしやすい点が特徴です。
人材派遣で働くメリット・デメリット
エンジニアが人材派遣で働く場合、働く環境や待遇などを交渉してもらえるものの、キャリア形成に悩む人も少なくありません。ここでは、どのような点に注意すべきなのか、人材派遣で働くメリットとデメリットについて解説します。
人材派遣で働くメリット
・労働条件が明確で安心して働ける
・希望している環境で働けることが多い
・経験が浅くても契約できることもある
派遣社員は、派遣元企業との契約で給与や勤務時間が決まっています。明確な労働条件で安定した収入を得ることが可能です。派遣先が変わってもそのままの条件で働けます。
また、派遣業務では希望する業務内容や職場環境を選ぶことができ、エンジニアとしてさまざまなプロジェクトに関わることができるため、スキルアップにもつながります。さらに、派遣社員は未経験者でも契約できることが多く、実務経験を積めるメリットがあります。
人材派遣で働くデメリット
・スキルアップの機会が少ないと感じる
・派遣法の3年ルールで雇用が安定しない
・キャリアアップが難しい
派遣社員は業務範囲が決められているため、何か挑戦したい業務があっても機会が少なく、キャリアパスを描きにくいことがあります。また、派遣社員は最長3年という勤務期間の制限が設けられています。契約満了後、雇用契約を結ぶと同じ派遣先で働くことができます。
別の派遣先が見つからなければ無職のため、安定性には欠けている働き方といえるでしょう。さらにキャリアアップが難しいため、将来に不安を感じる人も少なくありません。
SESで働くメリット・デメリット
SESの働き方は、現場や契約内容によって異なります。安定性とスキルの成長バランスの取り方について考えることが大切です。ここではエンジニアがSESとして働くメリットとデメリットについて解説します。
SESで働くメリット
・専門性が活かしやすい
・スキルアップにつながる
・収入が高い傾向がある
SESは、専門的なスキルを活かしやすいメリットがあります。システム開発やITインフラの設計・構築など、エンジニアのスキルに合った案件に参加することで、得意分野に関する案件を獲得しやすくなります。
また、SES企業は最新技術を導入したプロジェクトなど、トレンドに触れられる機会が多くあります。そのため、新しい技術を学べる機会が多いのです。ただし、これらの技術を習得するには、普段からの自己研鑽が欠かせません。そのため、SESの報酬は高めに設定されています。優れた技術をもつエンジニアなら、高単価の案件を獲得できるため、安定した収入を得ることができるでしょう。
SESで働くデメリット
・待遇や環境の差が大きい
・偽装請負になりがち
・キャリアパスが描きづらい
SESとして働く場合、クライアント先によって待遇や環境の差が大きいことがデメリットとしてあげられます。チームやプロジェクトの体制、扱う機材などが一貫していないため、柔軟に対応できるスキルが求められます。
また、契約形態上、偽装請負のリスクも高いため、SES企業や所属企業にどのように対応してもらえるのかサポート体制を確認しておきましょう。ほかにも業務が案件ごとに変わるため、キャリアパスが描きにくいこともデメリットとして挙げられます。
エンジニアの報酬相場
エンジニアとして、人材派遣とSESのどちらで働くのかを決めるときは、報酬の相場を知ることも大切です。企業がどの程度の報酬を出すのかをそれぞれの収入・報酬の相場をご紹介します。
エンジニア派遣の収入相場
エンジニアの人材派遣の収入は、月給制や時給制で支払われることが多く、地域や経験に応じて相場が変動します。
たとえば、関東の派遣社員の平均年収は495万円です。時給の相場は2,170円になります。社会保険に加入できるうえに、残業はなく安定収入が見込めるため、ワークライフバランスを大切にしたい方に向いています。同じ業務を長期間続けても、高収入を得るのはむずかしい傾向があります。
SESの報酬相場
SESはプロジェクトベースで報酬が決まっていることが多く、平均60万〜120万円と比較的高めに設定されています。スキルや実績によっては高収入も目指せますが、高単価案件はそれなりに求められる水準も高いです。
そのため、経験が少ないエンジニアには挑戦しづらいでしょう。さらに案件ごとに報酬単価が異なるため、収入が安定しづらい特徴があります。
人材派遣・SESからのキャリアパス
人材派遣やSESとして満足のいく収入が得られない場合、転職を考えるのもひとつの方法です。実はIT需要の高まりにより、専門知識をもつエンジニアは他職種からも重宝されています。ここでは、エンジニアのキャリアパスについて解説します。
IT・SaaS系営業職
業務DXの推進により、さまざまなシステムやツールが登場していますが、使いこなすには導入だけではなく、効果的な活用方法を提案することが重要です。エンジニアはITリテラシーと専門知識を活かして、ツールやシステムの運用方法をクライアントに提案できます。
とくに、現場での経験があると、クライアントとの信頼関係を築きやすく、導入後のサポートや改善提案もスムーズです。説得力のある営業職としての活躍が期待できます。
人材派遣会社の営業職
人材派遣会社の営業職でも、エンジニアは重宝されます。エンジニア目線をもつ営業職として、技術的な理解をもとに企業が求める人材を提案できます。
エンジニアとしての経験があることで、求職者のスキルや希望を正確に理解し、企業が求める人物像を把握できるためです。採用ミスマッチのリスクを抑えられることから、派遣先企業からも頼りにされることでしょう。
キャリアアドバイザー
キャリアアドバイザーは、エンジニアとして働いた経験を活かし、求職者に寄り添ったサポートができる職種です。自身の現場経験や業界知識をもとに、転職や退職を考えているエンジニアの不安や悩みに共感しながらサポートします。
転職を検討しているエンジニアは、自分のキャリアやスキルに対して不安を抱いていることが多いため、経験者からのアドバイスが力になるのです。
キャリアアドバイザーは、相談者のスキルやキャリアパスに合った求人を提案し、転職活動がスムーズに進むようサポートすることで、信頼感を与えることが可能です。
人材派遣のSES営業職の将来性
IT需要が高まったことで専門人材と企業をつなぐ仕事として、エンジニアの人材派遣を扱うSES営業職が注目を浴びています。ここではSES営業職の役割と仕事内容について掘り下げていきます。
SES営業職はエンジニアの人材派遣が仕事
SES営業職のおもな仕事は、エンジニアの希望やスキルに応じて最適な派遣先を提案することです。営業担当者は、求職者のスキルやキャリアの方向性をしっかりと理解したうえで、派遣先企業を選択します。
自身がSESでの経験をもっているため、求職者が抱える悩みやキャリアパスをより深く理解することができます。求職者が希望する環境で働きやすくなるだけではなく、企業側にも採用要件を満たしたエンジニアを提供できるメリットがあります。
専門知識を活かしたスムーズな人材の提案が可能
SES営業職は、エンジニアの専門知識があることで、企業が求める人材の要件を正しく理解し、求職者のスキルと照らし合わせて要件を満たす人材を提案できます。専門性の高い職種の求人は要件を満たしているのか、採用側も知識が必要です。
しかし、採用側にリソースがないと適切な人選や選考基準を設けることができません。SES営業職なら、ミスマッチが少なく、より効果的な提案が可能です。エンジニアと企業の双方にとって、満足度の高いマッチングが実現できます。
働き方を知るからこそ求職者に寄り添える
SES営業職は現場を知っているからこそ、求職者の不安や悩みに寄り添った提案ができる強みをもっています。経験をもとに、求職者が直面している課題を理解し、どのような支援が効果的なのかを考えることができるのです。
求職者の立場や状況を理解することで、信頼関係を築きやすく、長期的なサポートにつなげることが可能です。気持ちに寄り添った無理のない支援ができるため、求職者は安心して転職活動を進めることができます。
転職に迷いがあるならキャリアアドバイザーへの相談がおすすめ
「人材派遣のSES営業なんて本当に自分ができるのか不安」と感じている人は、キャリアアドバイザーへの相談がおすすめです。第三者の視点からサポートを受けられるため、転職活動をスムーズに進めることができます。
スキルや経験の棚卸しを支援してくれる
エンジニアから異業種へ転職する場合、どのスキルでアピールできるのか悩む人もいるのではないでしょうか。キャリアアドバイザーに相談することで、自分のスキルや経験を整理し、強みを効果的にアピールできるポイントがわかります。
自己分析を通じて、具体的な戦略を立てやすくなるため、転職活動をスムーズに進めることができるのです。さらに、自分に合った環境を見つけるのにも役立ちます。
強みを理解したうえで最適な働き方を提案してくれる
キャリアアドバイザーは、単に求人情報を提供するだけではなく、求職者のキャリアの方向性まで含めた提案が可能です。
エンジニアとしての経験や希望をもとにした具体的な働き方の提案をしてくれるため、成長できるポジションやキャリアパスを見つけやすくなります。これにより、必要なスキルの習得や戦略を立てることができ、より効果的に転職活動を進めることが可能です。
エンジニアの働き方に理解のある相談先を選ぼう
SESや派遣の現場を理解しているエージェントは、業界特有の悩みにも寄り添うことができます。これはエンジニアとしての経験や技術にもとづいたアドバイスのため、転職活動をする求職者に大きな安心感を与えることができるのです。
エンジニア独自の悩みや疑問に理解を示し、より良い働き方を実現するための具体的なサポートをしてくれるため、転職活動をスムーズに進められるでしょう。
人材派遣のSES営業への転職を支援します
人材派遣やSESでの経験は、SES営業で活かすことができます。同じエンジニアとして気持ちに寄り添うことができるうえに、企業側の言語化が難しい潜在的な採用要件もくみ取ることができます。
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