2025年3月7日公開
最終更新日:2025年3月7日
人材紹介の流れとは? 求職者・企業それぞれが利用する場合と職種別の仕事の流れ、採用を成功させるポイントを解説
人材紹介会社では、求職者と企業との間に立ってマッチングを行う、人材紹介サービスを提供しています。これから人材紹介会社への就職や転職を考えている方の中には「採用に至るまでの流れが知りたい」「職種ごとの具体的な仕事の流れが知りたい」と考えている方もいるかもしれません。
今回の記事では、人材紹介会社を利用する求職者・企業それぞれが採用や内定に至るまでの流れとともに、職種別の仕事の流れを解説します。採用を成功させるためのポイントも解説していますので、ぜひ参考にしてください。
▼以下の記事でも、人材紹介について詳しく解説しています。
人材紹介サービスとは? 人材派遣との違いや採用の仕組み、利用するメリット、転職を成功させるポイントを解説
求職者が人材紹介サービスを利用する際の流れ
求職者が人材紹介会社を利用するおもな目的は、転職エージェントサービスの利用です。転職エージェントサービスは、求職者は基本無料で利用できます。
求職者が人材紹介サービス(転職エージェントサービス)を利用して転職を行う際の流れは以下の通りとなっています。
・転職の目的を明確にする
・転職エージェントサービスを探す
・サービスの登録
・求人状況の確認
・キャリアアドバイザーとの面談
・求人紹介、応募
・書類の添削
・企業面接対策
・書類選考
・企業面接
・内定、採用
・入社までの調整
・入社後のフォローをキャリアアドバイザーから受ける
流れに沿ってそれぞれのフローを解説します。
転職の目的を明確にする
具体的な転職活動を行う前に、以下の自己分析を行っておくことがおすすめです。
・転職を行う目的
・希望する仕事内容、職種、業種
・自分の強み、弱み
転職したい、という気持ちだけで転職に乗り出してしまうと採用活動がうまくいかなかったり、入社後のミスマッチにつながってしまったりする可能性があります。特に転職の目的は明確にしておきましょう。目的を明確にすることで、スムーズに採用活動を進められる転職エージェント選びにもつながります。
転職エージェントサービスを探す
転職の具体的な目的が明確になったら、利用する転職エージェントサービスを探します。転職エージェントサービスによって特徴や強みが異なります。実績や強みのある業界などを確認し、複数のサービスを比較検討しましょう。なお複数の転職エージェントサービスに同時登録しても問題ありません。
サービスの登録
候補となる転職エージェントが見つかったら、登録を行います。Webフォームやメールなどの用意された登録手段にて、以下のような情報を入力して登録申し込みを完了させましょう。
・基本的なプロフィール
・最終学歴
・職務経歴
・希望勤務地
・希望業種
・現在の職種
・現在年収、転職後の希望年収 など
登録時点で過去に担当した職務内容や希望条件について詳細に記入しておくと、より自分の条件に合った求人を紹介してもらえる可能性が高くなります。
求人状況の確認
申し込みから2~7日程度で、転職エージェントからサービス内容や面談日程、求人状況の確認などについての電話やメールでの連絡が届きます。キャリアアドバイザーとの面談の日程調整もここで行います。
キャリアアドバイザーとの面談
キャリアアドバイザーとこれまでの経験や希望条件を確認し、求人の紹介やキャリアプランの提案を受けます。事前に登録した内容や、面談で話した内容を踏まえた転職先が紹介されます。職種や業種選びに迷っているときには、アドバイスを受けることも可能です。
キャリアアドバイザーとの面談は、人材紹介会社のオフィスやカフェなどでマンツーマンで行います。なお企業によっては対面のほか電話やオンラインでの面談に対応しているところもあります。
▼キャリアアドバイザーの基本知識や具体的な仕事内容についてはこちらの記事でも総合的に解説しています。
キャリアアドバイザー(人材紹介)ってどんな仕事内容?業務の詳細を徹底解説!
求人紹介・応募
キャリアアドバイザーとの面談によって転職の方向性が定まったら、条件に合う求人の紹介を受け、応募をします。転職エージェントをはじめとした人材紹介サービスでは、非公開求人を取り扱っていることがほとんどです。求人サイトなどには掲載されていない、大手企業などのオファーへ応募することもできます。
求人紹介では求人票上では分からない、社風や企業の成長性、入社後のキャリアパスなどについても詳細な説明を受けられます。
書類の添削
応募手続きはキャリアアドバイザーが行いますが、応募書類の作成は求職者本人が行います。履歴書・職務経歴書といった応募書類についてはキャリアアドバイザーから確認や添削が受けられます。
企業面接対策
キャリアアドバイザーからの面接対策も受けられます。人材紹介会社によっては、面接対策のためのセミナーなどを開講していることもあります。
書類選考
作成した書類にキャリアアドバイザーからの推薦状を添付し、企業へ応募します。
企業面接
書類選考に通過後、面接に入ります。面接の日程調整などもキャリアアドバイザーが行います。
企業面接
内定通知は転職エージェントを介して届きます。雇用条件や勤務地、給与などの条件面を確認し、必要に応じた調整を行い採用が決定します。
入社までの調整
内定や入社が決まったあと、現在の勤務先から引き止めが合った場合のキャリアアドバイザーからの退職交渉のサポートも受けられます。ほかに関係者へのあいさつや業務的な引き継ぎ方法などのアドバイスも提供されます。
入社後のフォローをキャリアアドバイザーから受ける
万が一入社後のミスマッチが起きたときなどにも、相談ができる体制が整っています。入社後の長期的なキャリア支援を提供している人材紹介会社もあります。
企業が人材紹介サービスを利用する際の流れ
人材の採用を検討している企業が人材紹介サービスを利用する際の流れは以下の通りです。
・人材紹介サービスを利用する目的を整理
・見積もりをとって人材紹介会社を比較
・利用する人材紹介会社を決定し、契約
・打ち合わせ
・募集開始
・書類選考、面接
・内定、採用
・入社決定、手数料の支払い
それぞれの流れについて解説します。
人材紹介サービスを利用する目的を整理
人材紹介会社を利用する目的を整理してから契約を行います。
代表的な目的の例は、以下の通りです。
・事業拡大のため
・新規事業立ち上げ
・人材戦略、採用戦略の構築と確立
・ヘッドハンティング
・大量の人材採用(未経験者・外国人人材など)
見積もりをとって人材紹介会社を比較
人材紹介サービスを利用する目的が明確になったら、利用する人材紹介会社を比較します。
新規営業を受けたところや、見積もり依頼などをしたところそれぞれで強みや料金を確認し、候補となる人材紹介会社を選定します。
利用する人材紹介会社を決定し、契約
候補の中から自社のニーズに合いそうな人材紹介会社を選定し、契約を結びます。
打ち合わせ
人材紹介会社のリクルーティングアドバイザーと打ち合わせを行います。リクルーティングアドバイザーからは、以下のようないろいろな要件のヒアリングが行われます。
・求人が発生した原因や背景
・求める人物像
・採用人数
・必要スキル
人材戦略・採用戦略の構築などを同時に依頼する場合も、様々なヒアリングが行われたうえで要件をまとめていきます。
募集開始
人材紹介会社サイドで選考した人材に関する資料の提出を行い、あわせて求人が開始されます。
書類選考、面接
求人に応募した求職者の書類選考や面接を行います。面接のスケジュール調整や合否の連絡などは、人材紹介会社の担当者が仲介します。
内定、採用
書類選考と面接に通過した求職者と企業側とで、勤務開始日や月給、労働時間などのこまかい要件のすり合わせを行います。双方の契約が合意した場合マッチングが成立し、採用となります。
入社決定、手数料の支払い
採用が決まったら、人材紹介会社へ企業が紹介手数料を支払います。入社後、万が一早期離職が発生した場合には、一部手数料を返金する返還金規約を設けている人材紹介会社もあります。
リクルーティングアドバイザー(RA)の人材紹介サービスでの仕事の流れ
リクルーティングアドバイザーとは、おもにクライアント企業側とやりとりを行い、採用活動代行やフォローを担当する職種です。採用までのリクルーティングアドバイザーの仕事の流れは以下の通りです。
・求人企業の開拓、アプローチ
・人材紹介契約の締結
・要項の取り決め
・社内で求人票を展開
・企業が実施するエージェント向け説明会への参加、情報収集
・マッチング成立後に選考開始
・内定連絡、入社日調整
・請求書発行
・アフターフォロー
それぞれについて、以下で詳しく解説します。
求人企業の開拓、アプローチ
新規企業開拓のための営業と、既存の企業へのアプローチを行います。新規の企業は、以下のような手法で開拓します。
・テレアポ
・広告の出稿
・求人データベースの利用
・知人紹介
・飛び込み営業 など
企業との商談では、募集職種や労働条件、事業内容などをヒアリングします。商談の結果から、企業特徴や人材紹介を利用する意欲の度合いを確認し、紹介契約のアプローチを行う企業の優先順位を付けていきます。
人材紹介契約の締結
商談がまとまり、人材紹介サービスの利用が決まった企業と契約の締結を行います。人材紹介基本契約書を作成したうえで、二社間で締結を行うことで契約内容に関するトラブルを防ぎます。
要項の取り決め
人材紹介契約を結ぶ前後で、具体的な募集要件を確認して求人票を作成します。その後、契約後のメインの連絡方法を決めます。連絡可能な時間や連絡で使用するツールを決めておくことで、お互いにストレスのないやりとりを実現できるでしょう。
人材紹介会社によっては、紹介する人材に関する目標人数を設定して期待値調整を行うこともあります。
社内で求人票を展開
社内に持ち帰って、求人・企業情報を共有します。キャリアアドバイザーにも求人票や商談で得た情報や具体的な状況の共有を行い、求職者の募集につなげます。リクルーティングアドバイザー自らが社内のデータベースを参照したうえで、当該案件で優先的に推薦して欲しい登録者などをキャリアアドバイザーに対して申し出ることもあります。
企業が実施するエージェント向け説明会への参加、情報収集
求人企業側がエージェント向けの説明会やセミナーなどを積極的に実施しているケースもあります。こういった場を活用して企業と接点を持ち続け、契約締結後も情報収集は積極的に行います。企業独自のニーズのほか業界の動向やトレンドも踏まえておき、契約を結んだ企業との関係構築に努めます。
マッチング成立後に選考開始
キャリアアドバイザーが選定した求職者と企業要件とのマッチングが成立した後、選考フローに入ります。選考開始後の面接などの日程は、企業担当者のスケジュールを確認しスピーディに設定することが重要です。
内定連絡、入社日調整
選考フローが進み、内定が出れば求職者へ連絡します。求職者と企業間で合意を得てマッチングが成立したら、採用が決まります。複数の企業の内定が決まった場合は、入社する企業と辞退する企業の意思確認を求職者へ行います。
内定が決まったら入社日を調整します。
請求書発行
紹介手数料を企業から徴収するために請求書を発行します。請求日は入社日になることが一般的です。
アフターフォロー
紹介した人材が就業を継続しているか、定着できているかを企業に確認します。追加の紹介依頼がないかも合わせて確認を行います。
キャリアアドバイザー(CA)の人材紹介サービスでの仕事の流れ
求職者の就職や転職をフォローする、キャリアアドバイザーの仕事の流れは以下の通りです。
・求職者へのアプローチ
・初回面談
・書類添削、アドバイス
・求人紹介
・選考の日程調整
・必要に応じて面接対策や面談を実施
・内定連絡、入社日調整
・入社後、アフターフォロー
それぞれの流れについて解説します。
求職者へのアプローチ
求職者を開拓するためにアプローチを行います。おもな求職者の開拓方法は以下のとおりです。
・SNS(LinkedInやX、YOUTRUSTなど)
・オウンドメディア
・各種広告出稿
・知人紹介(人脈活用)
・求人サイト上での専用スカウト など
初回面談
人材紹介サービスを申し込んだ求職者と初回面談を行います。面談はマンツーマンの対面式で実施し、転職活動の現在の状況や希望をヒアリングするというかたちが一般的です。ただし、求職者の状況や希望に応じてオンラインでの面談を実施している人材紹介会社もあります。
書類添削、アドバイス
初回面談が終了したあと、求職者の応募書類の添削やアドバイスを実施します。
求人紹介
求職者からのヒアリング内容を踏まえて、適した求人を紹介します。
選考の日程調整
求人への応募があったら、企業へ推薦し意思確認をしてから面接などの日程を調整します。
必要に応じて面接対策や面談を実施
面接の日程が決定したら、必要に応じて面接対策を行います。面接対策は複数行われることもあれば、最終面接のみ行うこともあります。面接が複数ある場合、一次面接の印象をリクルーティングアドバイザーが企業からヒアリングしたうえでキャリアアドバイザーへ共有し、キャリアアドバイザーが次の面接対策へ取り入れることもあります。
内定連絡、入社日調整
選考に通過した場合、求職者へ内定連絡を行います。内定承諾の有無を確認し、入社意思を得られたら入社日の調整を行います。内定承諾後は、入社準備に必要なものを伝えるなどのフォローも実施します。
入社後、アフターフォロー
入社後、早期離職を防ぐために状況確認やフォローを提供します。クライアント企業に対しては満足度を調査するためのアンケート回答などを依頼します。
人材紹介サービスで採用率を上げるためのポイント
人材紹介サービスは、基本的な流れに合わせた業務を行うだけでは求職者と企業のマッチング精度が向上しません。人材紹介サービスで成果を上げるためのポイントを、職種別に解説します。
リクルーティングアドバイザーが成果を出す方法
リクルーティングアドバイザーが成果を出すには、以下の手法を取り入れるのがおすすめです。
・質の高い営業リストの作成
・トークスクリプトの準備
・採用コンサルティング力を磨く
新規顧客開拓のために、質の高い営業リストを作成しておくのがおすすめです。以下の情報を一元化し、リストで管理しましょう。
・人材紹介契約の現在の締結有無
・競合サービス利用の有無
・求人募集の有無
・採用している職種
・採用予算
・採用時の課題
情報はつねにアップデートし最新の状態を保つことで、リストに合わせて効率よく営業活動を行えます。営業リストはExcelではなく、CRMやSFAを活用して作成することで精度を高められます。
あわせて新規開拓の精度を高めるために、状況ごとのトークスクリプトの準備をしておいたり、採用のコンサルティング力を磨いたりしておくことも重要です。
キャリアアドバイザーが成果を出す方法
キャリアアドバイザーが採用率を高めるためには、以下のふたつの手法が有効です。
・業務の優先順位をつける
・業務を効率化する
フェーズが個々で異なる求職者を複数人、同時期に管理するために、スケジュール管理とタスク管理を徹底しましょう。1日の業務内で対応完了すべき優先順位をつけて取り組むことで、効率的に業務を進められます。業務効率化のために、デジタルツールを導入するのも有効です。
人材紹介サービスの仕事の流れを掴んで転職に活かそう
人材紹介サービスの利用者側である求職者・企業にとっての流れと、人材紹介サービスの職種ごとの仕事の流れを解説しました。人材紹介サービスを介して採用や内定、転職を実現させるためには、活動の流れをつかみ、効率的に進めることが重要です。
人材紹介サービスへの転職を検討するなら、本記事でご紹介したような、業種に関する基本知識を得たうえで、実際の転職活動時には人材紹介の業種に特化した求人・転職支援サービスを利用することをおすすめします。
人材紹介にご興味のある方は、キャリアアドバイザー求人ナビの転職支援サービスをご活用ください。人材紹介業の大変なところややりがいなど実際にキャリアアドバイザーとして活躍しているメンバーが転職エージェントとしてみなさまの転職活動を支援いたします。話を聞いてみるだけ、という情報収集段階でも大歓迎です。ご興味いただける方は以下ボタンより、面談予約してください。
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