2025年4月18日公開
最終更新日:2025年4月18日
投稿者:キャリアアドバイザー求人ナビ編集部

キャリアカウンセラーとキャリアアドバイザーの違いは何? キャリアコンサルタントとの違いもあわせて解説

相談者のキャリア形成を支援する職種として「キャリアカウンセラー」と「キャリアアドバイザー」があります。この2つは何が違うのか、就職するならどちらがよいか、気になっている人はいるのではないでしょうか。

 

本記事では、キャリアカウンセラーとキャリアアドバイザーの違いについて解説します。

また、キャリアコンサルタントの違いも含めて解説するので、ぜひ参考にしてください。

 

キャリアカウンセラーとキャリアアドバイザーの違い

顎に手を当てて考えるサラリーマン

キャリア支援の専門家として「キャリアカウンセラー」と「キャリアアドバイザー」の2つがあります。この2つが持つ違いについて、「役割」「活躍の場所」「資格の必要性」の3つの観点から解説します。

 

役割の違い

まず、キャリアカウンセラーは、相談者の性格・価値観などの内面に目を向け、長期的なキャリア形成を支援を支援します。具体的には以下の役割を担います。

  • 相談者の自己理解を促し、長期的な視点でのキャリア設計を支援する
  • 相談者自身が納得のいくキャリア選択を主体的に行えるようにする

大切なのは、相談者自身が望む生き方や働き方を見つけられるように、サポートする点です。そのため、相談者の不安や悩みに耳を傾け、心理学的なアプローチを基盤とします。

 

一方で、キャリアアドバイザーは相談者のスキルや経験を活かせる求人を紹介します。具体的には、以下の役割を担います。

  • 相談者のスキルや希望条件をもとに、最適な仕事を紹介する
  • 転職エージェントなどで、履歴書などの応募書類の添削や面接対策、求人のマッチングなどの実務的な支援を提供する

キャリアアドバイザーは、相談者が希望する求人を紹介し、その企業に就職できるよう具体的な方向性を示します。

 

よって、キャリアカウンセラーは「相談者の内面から長期的なキャリア形成を支援する」、キャリアアドバイザーは「就職・転職活動における実践的なアドバイスを提供する」という役割の違いがあります。

 

活躍の場所の違い

キャリアカウンセラーは、主に以下の場所を中心に活動します。

  • 大学などの教育機関
  • 自治体の就職支援センターなど公的の再就職支援機関
  • 企業の人材開発部門

これらの場所で個別相談やセミナーなどを行い、学生から定年退職を迎える人まで幅広く、中長期的な支援を提供します。

 

キャリアアドバイザーは、主に以下の場所で活動します。

  • 人材紹介会社
  • 転職エージェント
  • 就職支援企業

即戦力としての人材紹介や、求人企業とのマッチング業務を行い、短期的な成果が求められます。

 

資格の必要性

キャリアカウンセラーの大きな特徴の1つは「国家資格キャリアコンサルタント」や「CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)」など何らかの資格を求められる場合があることです。資格を持ち、専門的な知識やスキルを持っていることを証明することで、キャリアカウンセラーとしての信頼を得ることが重要です。

 

一方で、キャリアアドバイザーは資格が必須ではありません。しかし、実務経験や業界知識が重視される傾向にあります。そのため、人材業界を経験している人は有利であり、営業力やマッチングスキルが求められることもあります。

 

以上から、キャリアカウンセラーは「資格取得が推奨される」、キャリアアドバイザーは「資格よりも実務経験やスキルが重視される」と言えるでしょう。ただし、資格の必要・不要の違いはあるものの、資格取得を通して専門的な知識やスキルを習得できます。それにより専門性・信頼性が得られることから、キャリアアドバイザーを目指す場合でも、取得しておくことが望ましいといえます。

 

キャリアカウンセラーとは

ビジネスマン

ここからは、より深くそれぞれの職種について詳しくみていきましょう。最初に「キャリアカウンセラー」について見ていきます。

 

キャリアカウンセラーの仕事内容

キャリアカウンセラーの主な仕事内容は、相談者の潜在的なニーズを引き出した上で、自己理解を深め、主体的なキャリア選択を支援することです。具体的な活動として、以下が挙げられます。

・カウンセリングを実施し、相談者の経歴や価値観などをヒアリング、自己分析をサポート

・得られた情報を客観的に分析し、目標達成に向けて具体的なキャリアプランを立案

・就職活動や転職活動における自己分析を支援し、職業選択の助言を行う

 

また、必要に応じて職業適性検査やスキルチェックを行い、相談者に合ったキャリアパスを提案します。

 

キャリアカウンセラーが活躍する場所

キャリアカウンセラーは、主に教育機関、行政機関、民間企業で活動します。例えば教育機関では、大学で学生に向けてキャリア支援や就職活動支援を実施し、ハローワークでは求職者に対して求職情報の提供や転職支援を行います。

 

他にも民間企業の人事部で、社員のキャリアアップ支援や能力開発、組織内の人材育成の企画・運営などを行います。

 

さらに近年では、独立してオンラインカウンセリングなど、場所を問わず活動するキャリアカウンセラーも増えています。

 

キャリアカウンセラーに求められるスキル

話をするビジネスマン

キャリアカウンセラーになるには、求められるスキル・知識が多岐に渡ります。ここでは具体的なスキルについて解説します。

 

キャリアカウンセリングに関する知識

キャリアカウンセラーとして活動するために最も必要なのが、キャリアカウンセリングについての専門知識です。キャリアカウンセリングは、心理学や経営学などを含めた理論から成り立っています。具体的には、以下が挙げられます。

・キャリア選択の3段階プロセス

・マッチング理論

・アイデンティティ発達理論

・キャリア発達理論

・ライフ・ステージ論

・キャリア・アンカー論

 

これらの知識は、相談者の状況を分析し、適切なアドバイスを行うためには欠かせません。

国家資格「キャリアコンサルタント」取得時の学習内容にも含まれるため、資格取得を目指すことで習得が可能です。

 

コミュニケーション能力

相談者と適切なコミュニケーションを取ることは、カウンセリングを行う上で非常に重要です。円滑にコミュニケーションを行うために大切なのは信頼関係を築くことであり、そのためには以下の能力が求められます。

  • 相談者の言葉を注意深く聞く「傾聴力」
  • 相談者の気持ちに寄り添う「共感力」
  • 相談者のニーズを的確に把握するための「質問力」
  • 相談者にわかりやすく言葉を伝える「説明力」

相談者の悩みや不満をくみ取りつつ、中立的な立場で会話を行い信頼を勝ち取ることが、キャリアカウンセラーとして必要となる重要なスキルです。また、相談者をより深く理解し適切なコミュニケーションをとるために、心理学(行動心理学、認知心理学など)の知識があると役立ちます。

 

社会人経験

相談者からの相談に対して、説得力のあるアドバイスを行うためには社会人経験が必要です。企業での就労経験があると、職場の実情や働くうえでの課題について共感が得やすく、相談者に対して具体的なアドバイスが行えます。また、異業種や多様な職種を経験していれば、それだけ広い視野を持った支援が可能です。

 

キャリアカウンセラーは、専門知識以外にもさまざまな職種についての幅広い知識が求められます。そして適切なアドバイスを行うためのコミュニケーション能力や、説得力を高める経験があると、相談者とのスムーズな信頼関係の構築が行えます。

 

キャリアカウンセラーになるには

勉強する女性

キャリアカウンセラーになるためには、資格取得を目指すのが一般的です。キャリアカウンセラーになるために必要なステップを解説します。

 

資格取得を目指す

キャリアカウンセラーに関連する資格は複数ありますが、最も広く認知されているのが2016年に創設された厚生労働省認定の国家資格「キャリアコンサルタント」です。専門的な知識と実践力を国が証明する資格として注目されています。

 

国家資格「キャリアコンサルタント」試験の受験資格として、以下を満たした人と定義されています。

  • 厚生労働大臣認定「キャリアコンサルタント養成講座」を修了した者
  • 労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関して3年以上の経験を有する者
  • 技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した者
  • 上記の項目と同等以上の能力を有する者

なお、試験内容については以下の通りとなっています。

 

学科試験

実技試験

論述

面接

出題形式

多岐選択式:50問

記述式:1~2問

ロールプレイ

口頭試問

試験時間

100分

50分

ロールプレイ:15分

口頭試問:5分

合格基準

70点以上

150点満点中90点以上
※ただし論述試験40%以上、面接試験40%以上の取得が必要

受験料

(税込み)

8,900円

29,900円

 

試験日程や試験の詳細については、厚生労働省HPをご確認ください。

 

 

※厚生労働省「キャリアコンサルタントになりたい方へ」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/career_consultant01.html

 

受験資格にもあるように、受験するためには厚生労働大臣が認定するキャリアコンサルタント養成講座の受講が必要です。養成講座は全国の専門学校やオンラインスクール、通信講座などで実施されています。講座の期間や費用はスクールによって異なりますが、約3〜6ヶ月で修了でき、講座費用は約20〜30万円が相場です。

 

他にも、民間資格であるキャリアコンサルティング技能士や日本キャリア開発協会(JCDA)認定の「CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)」も広く認知されています。職場によってはこれらの資格が評価される場合があります。CDAは、5年に1度資格更新手続きが必要です。

 

キャリアアドバイザーとは

女性に向かって話すスーツ姿の男性

続いては、キャリアアドバイザーについて解説します。キャリアアドバイザーは、就職・転職活動における実践的なアドバイスを提供します。具体的な仕事内容や活動場所を見ていきましょう。

 

キャリアアドバイザーの仕事内容

キャリアアドバイザーの主な仕事内容は、個人一人ひとりを対象に就職・転職活動のサポートを行います。具体的な仕事内容としては、以下が挙げられます。

  • 面談で希望職種や経験、スキルをヒアリング
  • 求職者の希望や条件に合った求人を紹介
  • 履歴書・職務経歴書の添削、面接対策のサポート
  • 求人企業との日程調整、条件交渉の実施
  • 内定から入社するまでのフォロー

キャリアアドバイザーは求職者と企業双方の間でミスマッチを防ぐために、それぞれのニーズを的確に把握する能力が求められます。具体的には、求職者がもつ経験やスキル、希望職種やニーズをもとに、多くの企業の求人情報の中から合致するものを紹介します。

 

キャリアアドバイザーはさらに、求職者が自信を持って就職・転職活動に臨めるよう、精神的なサポートも行います。必要書類の添削や面接対策などのサポートのほか、企業との交渉なども重要な仕事です。内定が決まった後も、入社するまでフォローを行い、求職者が働き始めるまで支援します。

 

キャリアアドバイザーが活躍する場所

キャリアアドバイザーは、主に人材紹介会社や転職エージェントなどの就職支援企業で活躍します。転職エージェントは、求職者と企業の間に立ち転職活動のサポートを行うサービスで、登録すれば無料で利用できます。特定の業界や職種に特化したキャリアアドバイザーが在籍していることもあり、業界や職種にあわせたアドバイスや求人情報の提供が受けられます。

 

その他、大学で学生に対して就職支援を行ったり、公的機関で求職者の就労活動を支援したりするケースもあります。また近年では、オンラインによる面談や、SNS・Webを活用した求人紹介など、活動の幅も広がっています。

 

キャリアアドバイザーに求められるスキル

真剣にPCへ向かうビジネスマン

キャリアアドバイザーは、求職者や企業の架け橋となる役割を果たすためのスキルが求められます。特に、求職者および企業のニーズを正確に把握し、できるかぎりマッチングさせることが重要です。そのために必要なスキルを解説します。

 

コミュニケーション能力

キャリアアドバイザーもキャリアカウンセラーと同様、コミュニケーション能力が欠かせません。これは求職者、企業側双方で良好な信頼関係を築くために必須です。ただ話を聞くだけでなく、相手の本音や価値観、潜在的なニーズを引き出すための質問力や共感力も求められます。さらに求職者だけでなく、企業に対しても条件交渉や面接日程の調整を行うための交渉力を求められます。

 

また、キャリアアドバイザーは採用のミスマッチを防ぐことが非常に重要です。採用のミスマッチとは、求職者の希望と企業側の希望でそもそものミスマッチがあり、採用が決まって入社後になってからその事実が発覚してしまい、求職者の希望どおりの仕事に就けない状況のことです。このようなミスマッチを防ぐため、求職者、企業側双方と十分にコミュニケーションがとれるスキルが求められます。

 

情報収集能力

求職者に適した求人情報を紹介するためには、日頃から求人市場の変化を捉え、より多くの情報を収集することが基本です。また、常に最新の求人情報や業界トレンド、企業ニーズを把握しておく必要があります。情報は企業のWebサイトだけでなく、セミナーや内定者からのフィードバック、企業担当者と直接やりとりする際に得られることもあります。

 

また、収集した情報を分析して体系化し、活用できるとより詳細に求人動向や給与水準の変化を捉えることが可能です。このような情報収集能力が、アドバイザーとしての信頼性を高めます。

 

問題解決能力

キャリアアドバイザーは仕事の中で、求職者の悩みや企業の課題に直面する場面が多くあります。例えば、未経験の業界や自身の経験不足に対して不安を感じる若年層、採用のミスマッチに苦しむ転職希望者、可能な限り即戦力となる人材を求める企業などが挙げられます。キャリアアドバイザーは、このような課題に対して、柔軟かつ論理的な問題解決能力が求められます。

 

求職者に対しては不安や悩みを解消するために、心理的な負担を軽減し、自信を持って就職・転職活動に臨めるよう解決策を提案し、精神的なサポートを行います。また、ミスマッチを可能な限りなくせるよう、求職者・企業側双方の希望や課題をしっかり引き出すことが重要です。

 

また、求職者の面接での不調や想定外の求人案件の出現など、状況の変化に応じて適切に対処できる問題解決能力も求められます。

 

キャリアアドバイザーになるには

勉強する女性

キャリアアドバイザーになるには、具体的にどのようにしたらよいか、その方法について解説します。

 

キャリアコンサルタントの基本的な知識・スキルを身に付ける

キャリアアドバイザーとして活躍するために、キャリアカウンセラーと同じくキャリア支援の基礎となる知識とスキルを身に付けることが重要です。例えば、労働市場の動向や業界の知識、履歴書添削や面接指導を行うためのスキルを身に付ける必要があります。これらの知識・スキルは「キャリアコンサルタント養成講習」を受講することで得られます。

 

キャリアアドバイザーになるためにキャリアコンサルタント関連の資格が必須というわけではありませんが、その資格取得に必要な知識・スキルがあると大変役立ちます。

 

営業職や人事経験があると有利

キャリアアドバイザー経験がある人が有利なのはもちろんですが、他にも営業職や人事経験があると有利です。これは複数の業界についての知識やコミュニケーション能力に関連します。

 

営業職の経験があると、求職者のニーズの把握や、最適な提案を行うのに役立ちます。また、企業に対して求職者の条件交渉を支援する上でもその経験を活かせます。人事経験者は、採用活動や人材育成に関する経験を活かした求職者の応募書類の添削や面接対策が行えます。

 

キャリアアドバイザーの経験がなくとも、営業職や人事経験があると、その経験を活かして活躍できます。

 

それぞれの違いを見極めて職種を選択しよう

キャリアカウンセラーとキャリアアドバイザーは、仕事内容が似ているものの明確な違いがあります。キャリアカウンセラーは相談者の内面に働きかけ、長期的なキャリア設計や自己理解を促します。対してキャリアアドバイザーは外部から働きかけ、相談者の希望に沿った求人を紹介しつつ、企業側との橋渡し役を担います。

 

どちらも相談者に適切な支援を行うために、コミュニケーション能力が必須です。相談者からの言葉に耳を傾け、きめ細やかなサポートを提供することで、信頼関係を築いて適切な支援が行えます。

 

キャリアアドバイザーは、キャリアカウンセラーと比べそれほど資格有無を重視されず、未経験の人でもなりやすいという点があります。弊社のサイトには、キャリアアドバイザーの求人情報を掲載していますので、キャリアアドバイザーの転職について詳しく知りたい方は、お気軽にご連絡ください。

 

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