2025年4月17日公開
最終更新日:2025年4月17日
人材コーディネーターとキャリアアドバイザーの違いとは? 仕事内容ややりがい、向いている人を徹底比較!
人材業界への転職を目指し、求人票を見ていると「人材コーディネーター」と「キャリアアドバイザー」という職種をよく目にする機会があります。いずれも派遣社員や求職者へのサポートを行う職種のため、違いが分からないという方もいるかもしれません。
今回の記事では、人材コーディネーターとキャリアアドバイザーの違いを、仕事内容ややりがい、向いている人などの面で比較し、解説します。あわせてキャリアコンサルタントなどについても触れていますので、ぜひ参考にしてください。
人材コーディネーターとキャリアアドバイザー、人材業界の似ている職種との違いとそれぞれの特徴
人材コーディネーターとキャリアアドバイザー、さらに似ている職業であるキャリアコーディネーターとキャリアコンサルタントの概要を、何が違うのかを踏まえながらそれぞれ解説します。
人材コーディネーターとは
人材コーディネーターとは、人材派遣会社に所属する職種です。おもに派遣社員の就業に関するフォローを行います。
キャリアアドバイザーとは
キャリアアドバイザーとは、おもに転職エージェントサービス企業に所属し、求職者の転職活動が成功するためのフォローを行う職種です。人材コーディネーターが派遣社員の就業をフォローするのに対して、キャリアアドバイザーは正社員や契約社員への求職・転職を希望している人をフォローします。
キャリアカウンセラーとは
キャリアカウンセラーとは、個人のキャリアデザインへのフォローを行う職種です。転職や就職に関する悩みのほか、現職での仕事や人間関係、将来への不安など仕事に関する幅広い相談を受けます。相談者にとっての適職の発見や、企業内でのキャリア形成の提案を行うのがおもな業務です。
キャリアコンサルタントとは
キャリアコンサルタントとは、厚生労働大臣に認定された国家資格です。要件を満たし国家資格に合格することで取得できます。キャリアコンサルタントは、相談者からのヒアリングを通じて、適職の選択や能力開発のサポート、スキルの活用方法を提案するキャリア形成の専門家です。国家資格に合格していないとキャリアコンサルタントを名乗ることはできません。
人材コーディネーターとキャリアアドバイザーの仕事内容やキャリアパスの違い
人材コーディネーターとキャリアアドバイザーの、具体的な仕事内容やキャリアパスを解説します。
人材コーディネーターの仕事内容とキャリアパス
人材コーディネーターは、おもに派遣会社に所属するスタッフの新規登録、派遣スタッフを求める企業とのマッチング、派遣スタッフの就業中のフォローを行っています。営業職が受注した案件に対して、適任となる派遣社員へ声がけをし、業務の指示出しを行うのも、人材コーディネーターの仕事です。
おもな仕事内容は以下の通りです。
・登録面談
・社内選考
・候補者との顔合わせ
・派遣スタッフへのフォロー
・担当営業と求人情報の打ち合わせ
・募集記事の作成
・仕事紹介
・企業と人材のマッチング
・応募者情報を担当営業に共有
・スキルシートの作成
・就業中の面談などのサポート
・就業状況の確認
・求職者のデータベース登録 など
人材コーディネーターのキャリアパスは以下の通りです。
・チームやエリアの人材コーディネーターを統率するリーダー職へステップアップ
・チームの運営・管理、現場で働くメンバーのサポートを行うマネージャーにステップアップ
・事業部全体の運営や戦略の立案、管理を行う事業部長
まずリーダーにステップアップし、人材コーディネーターとしての業務を続けながらメンバーをまとめる役割を担います。リーダーとしては、メンバーの売上や状態を管理し、チームでの成果を出すために周りとの連携が必要です。
リーダーからマネージャーにステップアップすると、個人ではなくチームとしての成果が求められます。現場からは一旦離れ、企業の目標や方向性に合わせてチームを指揮するほか、メンバーの育成やスキルアップなどのサポートも行います。
マネージャーとしての経験を積むと、大きな責任を持つ立場である事業部長として事業部全体の運営や戦略の立案、管理を担います。経営の面から事業部の成長を促進させ、企業の利益に貢献します。
キャリアアドバイザーの仕事内容とキャリアパス
キャリアアドバイザーの仕事内容は以下の通りです。
・個別カウンセリング
・キャリアプラン作成支援
・履歴書・職務経歴書の添削
・面接対策のサポート
・企業と求職者のマッチング
キャリアアドバイザーのキャリアパスは以下の通りです。
・専門分野に特化したキャリアアドバイザー
・総合型キャリアアドバイザー
・両面型エージェント
・チームリーダーやマネージャー、シニアアドバイザー
・ヘッドハンター
・人事採用担当
・人材コンサルタント
・フリーランスのキャリアコンサルタント
ITや金融など特定の分野に特化したサポートを行うキャリアアドバイザーや、特定の分野にとらわれず転職市場全体で活躍できるキャリアアドバイザー、企業への人材ニーズを発掘し契約につなげるリクルーティングアドバイザーと兼務する両面型エージェント、などのキャリアパスがあります。
各キャリアアドバイザーの専門家として現場で活躍する以外にも、チームリーダーやマネージャーなどの管理職となり、チームや事業の利益に貢献するキャリアパスもあります。
ほかにも業界のトップ人材をスカウトするヘッドハンターや、企業で人材の採用や育成、労務などを担当する人事採用担当、人材に関する悩みや課題を持つ企業への解決策を提案する人材コンサルタントとしてのキャリアパスも可能です。
国家資格であるキャリアコンサルタントを取得すれば、フリーランスのキャリアコンサルタントとして独立・起業もできます。企業に属するか、独立するかどちらを大切にしたいかで、さまざまなキャリアパスの実現が可能です。
人材コーディネーターとキャリアアドバイザーのやりがいとは
人材コーディネーターとキャリアアドバイザー、それぞれで得られる主なやりがいを解説します。
人材コーディネーターのやりがい
人材コーディネーターのやりがいには、以下のものがあります。
・人材と企業をつなぐことで、人の役に立っている実感が得られる
・新しい人材獲得戦略の開発による大きな達成感
・候補者の成長を間近で感じられる
人材コーディネーターは、人材と人材不足に悩む企業をつなぐ役割を持っています。企業のニーズに沿った派遣スタッフと企業がマッチングすることで、企業の人手不足を解消し、人の役に立てる職種です。
人材コーディネーターは、日々変化する市場の動向を分析し、企業のニーズにマッチする人材を見つけるための戦略立案も行います。派遣スタッフに新たなキャリアを提供できるため、大きな達成感を得られます。
人材コーディネーターは、派遣スタッフからのヒアリングで要望や適正に合う企業とマッチングを行います。派遣スタッフのキャリア形成にも大きく関与し、ときには候補者の成長を間近に感じられることで、やりがいを得られるでしょう。
キャリアアドバイザーのやりがい
キャリアアドバイザーのやりがいには、以下のものがあります。
・人生の転機をサポートできる
・幅広い知識とスキルを獲得できる
・人脈を構築できる
・企業の成長を支援できる
キャリアアドバイザーは、求職者の就職や転職、キャリアチェンジといった人生でも重要な転機のサポートを行います。責任は大きいものの、求職者の希望通りのキャリア形成が実現したときには、大きな達成感を得られます。
キャリアアドバイザーの業務では、カウンセリングやコミュニケーションスキルなどのスキルや、人事に関する知識も得られます。ただし幅広いスキルや知識はただ日々の業務をこなせば自然と身に付くのではなく、自分自身でも情報を積極的に収集するなどの努力が必要です。
キャリアアドバイザーは、求職者個人に加えて企業の人事担当者や経営者などとも関わる機会も多いです。業界や職歴、年齢、性別、経験などが異なるさまざまな人と信頼関係を構築できるのも、キャリアアドバイザーならではのやりがいです。
キャリアアドバイザーは求職者と企業をマッチングさせることで、企業の成長を支援する役割を持っています。キャリアアドバイザーの手腕によって企業の持つ人手不足や生産性低下といった課題を解決でき、社会の発展にも貢献できる職種と言えるでしょう。
人材コーディネーターとキャリアアドバイザーそれぞれに向いている人とは
人材コーディネーターとキャリアアドバイザー、それぞれで適性のある人の特徴を解説します。
人材コーディネーターに向いている人
人材コーディネーターは、以下のような人が向いています。
・人と話すのが好き
・相手の立場を共感できる
・人の役に立ちたい
・コミュニケーションスキルが高い
・交渉力がある
・柔軟性と適応力がある
人材コーディネーターは人と接する機会が多い仕事です。対話を通じて派遣スタッフやクライアント企業のニーズを理解したり、適切な解決策を提供したりするための課題発掘力や対話力が求められます。人と話すことが好きな人や、相手の立場に共感できる人が向いているでしょう。
人材コーディネーターは、派遣スタッフの雇用サポートや、企業への適切な人材提供を行うのが仕事です。派遣先とスタッフとの適切なマッチングと、派遣後のスタッフのフォローも人材コーディネーターが担当します。
マッチングによって両者が満足した結果が生まれれば、大きな達成感が得られます。人材紹介を通じて人の役に立ちたいと考えている人に、向いている仕事です。
人材コーディネーターは、派遣スタッフや派遣先の担当者と直接対話をします。対話によって、求職者の就業条件や希望などの詳細を聞き出したり、派遣先企業の担当者と信頼関係を築いたりします。そのため、コミュニケーション能力が高い人が向いています。
人材コーディネーターには、交渉力が求められます。派遣スタッフと派遣先企業の間で、給与や勤務時間などの条件が合わない場合、条件の調整や交渉が必須となるためです。派遣スタッフと企業間でのミスマッチや短期での退職を防ぐためにも、派遣スタッフと企業の両者が納得できる解決先を探れる、交渉力や調整力を持つ人が向いています。
人材コーディネーターには、柔軟性と適応力がある人が向いています。派遣スタッフや派遣先企業のニーズや要望に対するスピーディな対応はもちろん、予測外の急な変更や要求にも臨機応変に対応できる力が求められているためです。柔軟性や適応力を持っている人なら、適切な対応ができるため、派遣スタッフと企業両方の顧客満足度の向上にもつながります。
人材コーディネーターは、分析力と問題解決能力がある人が向いています。応募書類や面接内容から派遣スタッフのスキルや経験を適切に分析し、派遣先企業のニーズとマッチする派遣スタッフを見つけることが求められているためです。
分析力や問題解決能力は、万が一派遣スタッフに派遣先企業でトラブルが発生したときや、不満が出たときにも、適切な解決方法を把握するために役立ちます。
キャリアアドバイザーに向いている人
キャリアアドバイザーには、以下のような素質を持っている人が向いています。
・コミュニケーションが上手
・情報整理能力が高い
・的確なアドバイスができる
・多様な価値観を受け入れられる
キャリアアドバイザーは、多様な職歴や経験を持つ求職者と面談することで、求職者のニーズや適正を発掘していきます。人との関わりを楽しむことができる、高いコミュニケーション能力を持っている人が向いているでしょう。
キャリアアドバイザーは、最新の市場や業界の動向を把握しつつ、的確なアドバイスや提案を行わなければいけません。多様な情報から情報を整理し、重要なポイントを抽出した上で的確なアドバイスができる人が向いています。自らが情報を積極的に収集したり、情報を常にアップデートしたりといったことも必要です。
求職者の中には、大手企業からベンチャーへの転職、未経験から異業種への転職、起業やフリーランスへの転身といったさまざまな転職ニーズを持っている人がいます。キャリアアドバイザーは柔軟な思考や考え方を持ち、多様なキャリア選択を受け止められる人が向いているでしょう。自分の意見や価値観に執着せず、求職者の選択を尊重しキャリア形成のサポートができる人が適任です。
人材コーディネーターとキャリアアドバイザーの仕事はきつい?
人材コーディネーターとキャリアアドバイザーは、いずれも人材業界に属する職種です。人と関わる機会の多さや業務内容から、「きつい」と言われることもあります。人材コーディネーターとキャリアアドバイザーの仕事や特徴のうち、きついと言われかねない背景や要素について解説します。
人材コーディネーターの仕事できついポイント
人材コーディネーターの仕事は、以下のポイントできついと感じることがあります。
・企業とスタッフ双方のサポートが大変
・急な対応や残業が必要になることがある
人材コーディネーターは、派遣スタッフと企業の両方のサポートを行います。派遣スタッフと企業がマッチングしたら、人材コーディネーターは派遣スタッフの業務フォローを行います。万が一就業中に問題が発生した場合には、スタッフから不満を聞いたり、企業から要望を聞いたりといった調整役も担います。
双方の意見が対立したり、要望が一致しなかったりした場合、人材コーディネーターは適切な対応策が見つけられず、悩んでしまうこともあるでしょう。
人材コーディネーターは派遣する人材が見つからない場合、帰宅後や深夜になっても人材探しを続けるということもありえます。また、企業からの急な要望やトラブルが発生したときには、時間に関係なく迅速な対応が必要です。残業や休日出勤が発生することも多いでしょう。
また、人材コーディネーターが担当する派遣スタッフの数が多く、業務負担そのものが大きく残業が発生することにきつさを感じることも多くあります。
キャリアアドバイザーの仕事できついポイント
キャリアアドバイザーの仕事できついと感じるポイントは以下の通りです。
・人の人生を左右する決断を迫られる
・企業によってはノルマがきつい
キャリアアドバイザーの仕事は、求職者の転職に対する不安や焦りと対峙しながら、適切なアドバイスやフォローが求められます。時には求職者の人生を左右する決断をサポートすることもあり、大きな責任やプレッシャーからきついと感じる人もいるかも知れません。
キャリアアドバイザーが務める転職エージェントなどのサービスや企業によっては、以下のような目標を掲げていることがあります。
・月間または週間の面談数
・転職を実現した人数
・求職者に求人を紹介した数
・企業と求職者との面接をセッティングした件数
・選考対策を実施した件数
ある項目の目標はノルマとして課され、達成できなかった場合評価や給与に影響することがあります。ノルマをクリアしなければいけないプレッシャーや、きついノルマを課されたときのストレスなどから、きついと感じるキャリアアドバイザーもいます。
人材コーディネーターとキャリアアドバイザーのよくある質問
人材コーディネーターとキャリアアドバイザーに関する疑問を、よくある質問と回答形式で解説します。
人材コーディネーター・キャリアアドバイザーは未経験でもなれる?
いずれの職種も、未経験でも転職可能です。求人や転職先企業によっては、新人研修やOJT(職場内訓練)が充実しているなど、未経験者を受け入れしやすい体制を整えている企業もあります。
ただし、未経験OKであるものの営業職としての業務経験があれば有利、などの要素を持つ求人もあります。未経験から人材コーディネーターやキャリアアドバイザーを目指すときには、求人情報をしっかりとチェックすることがおすすめです。
特定の資格は必要?
人材コーディネーター、キャリアアドバイザーいずれもなるために特に資格は必要ありません。ただしキャリアアドバイザーの場合、国家資格のキャリアコンサルタントを取得するとキャリアコンサルタントを名乗れます。
実際に人材コーディネーターやキャリアアドバイザーになるには?
人材コーディネーターになるには人材派遣会社や人材紹介会社への就職、または他の職種から転職します。
キャリアアドバイザーは転職エージェントをはじめ、就業先は多岐にわたります。
将来性は高い?
人材コーディネーター、キャリアアドバイザーいずれの職種も求人数が多く将来性が高い職種です。特に福祉分野や介護分野といった人手不足が深刻化している業界では、人材に関する課題を持つ企業も多く、人材コーディネーターやキャリアアドバイザーのフォローが欠かせません。
人材コーディネーターやキャリアアドバイザーへの転職活動を成功させる方法やポイント
現職から人材コーディネーターやキャリアアドバイザーへの転職を成功させるためのポイントを解説します。
各職種についての理解を深める
人材コーディネーターとキャリアアドバイザーは、似ている職種ですが業務内容が異なります。まず各職種の仕事内容や役割といった理解を深めて、自分が応募する職種を定めましょう。理解を深めてから転職活動を行うことで、入社後のミスマッチも防げます。
志望動機をしっかりと書き込む
志望動機には、人材コーディネーターやキャリアアドバイザーとして働きたい理由、応募先企業で働きたい理由、業務に活かせる実績やスキルなどを具体的に盛り込みましょう。応募先企業への熱意や優先度を的確にアピールできます。別の職種や企業にも当てはまる内容のものは避けましょう。
転職エージェントやサービスを利用する
人材コーディネーターやキャリアアドバイザーの転職に強い転職エージェントや、求人サポートを利用するのもおすすめです。たとえば「キャリアアドバイザー求人ナビ」では、キャリアアドバイザーの転職に特化した転職サポートを提供しています。他社では取り扱いのない優良企業の非公開求人の紹介や、伴走型支援による高い採用率などの実績があります。ぜひお気軽にご相談ください。
人材コーディネーターやキャリアアドバイザーは市場価値の高い職種
人材コーディネーターとキャリアアドバイザーの違いを踏まえた、それぞれの役割や業務内容、やりがいやきついポイント、転職を成功させるポイントを解説しました。
いずれの職種も社会のかかえる人材に関する課題解決に役立つ、将来性の高い職種です。転職エージェントや求人サポートなどを利用し、転職をぜひ成功させましょう。
キャリアアドバイザー求人ナビの転職支援サービスでは人材コーディネーター職とキャリアアドバイザー職について、企業の裏側まで熟知したエージェントが転職を支援いたします。
さらに、応募書類作成のサポートや企業ごとの面接対策など徹底した伴走型の転職支援を提供。「書類も面接もこれまでより通過率がダントツに上がった」「年収交渉をしてもらい希望年収が叶えられた」など口コミでも高い評価をいただいています。自身の志向にあったキャリアアドバイザー職を目指している方はぜひ以下ボタンから面談予約してください。
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